2011 Fiscal Year Annual Research Report
MOA-IIによる伴星の質量関数の解明と褐色矮星砂漠の検証
Project/Area Number |
10J07272
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三宅 範幸 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 重力マイクロレンズ法 / 連星 / 高密度星 |
Research Abstract |
これまでに観測された高増光の重力マイクロレンズイベントの中から、高密度星を伴った連星の探索を行い、OGLE-2007-BLG-514に着目した。本イベントは、ソース天体が1000倍以上に増光した高増光のイベントで増光期間が100日以上と長く、世界中の12台の望遠鏡によって増光中に追観測が行われた。重力マイクロレンズ現象の中で増光期間が長いイベントは、レンズ天体の質量が大きい可能性がある。また、この現象はレンズ天体の明るさに依らないため、非常に暗くて直接観測することが難しい白色矮星や中性子星、ブラックホールといった高密度星の観測に有用である。さらに、ソース天体が100倍以上に増光する高増光のイベントは、増光中に追観測を行うことで光度曲線の特徴を詳細に捉えて連星のレンズ天体を発見し、レンズ天体の質量や距離を求めることができる。 解析の結果、レンズ天体は連星であり、観測データを再現できる2つのモデルを発見した。一つは、地球の公転運動による視差とレンズ天体の公転運動を考慮したモデルで、レンズ天体の主星が1.06±0.13太陽質量、伴星が0.34±0.04太陽質量、レンズ天体までの距離が3.11±0.39kpcであることがわかった。この結果は、レンズ天体が主系列星の連星である可能性を示唆している。もう一つは、ソース天体も連星でソース天体の公転運動を考慮したモデルである。このモデルに対してベイズ統計を用いてレンズ天体の物理量を見積もった結果、主星は0.9(+4.6,-0.3)太陽質量、伴星が0.2(+1.2,-0.1)太陽質量、レンズ天体までの距離が2.6(+3.8,-0.9)kpcである。このモデルは、主星が高密度星であることも示唆している。これら2つのモデルは、ハッブル宇宙望遠鏡でレンズ天体とソース天体の離角を観測することにより検証し弁別する事が可能である。
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Research Products
(9 results)