2010 Fiscal Year Annual Research Report
可搬型小型反電子ニュートリノ検出器を用いた原子炉稼働状況モニタリングの研究
Project/Area Number |
10J07331
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 康浩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニュートリノ / 原子炉モニタリング / 安全保障 / 反電子ニュートリノ |
Research Abstract |
本研究の目的は、プラスチックシンチレータを用いた小型反電子ニュートリノ検出器を製作し、ニュートリノ検出技術の原子力安全保障上の応用という観点から、反電子ニュートリノを用いた原子炉モニタリング手法を確立することである。研究の最終段階においては製作した検出器を用いて、原子炉由来ニュートリノのフラックスとスペクトルを測定する事で、原子炉モニタリングを実現する。 平成22年度は、小型の試作器の改良、及び屋外における動作試験を行い、さらに浜岡原子力発電所におけるニュートリノ測定を開始した。 試作機の改良 平成22年4月~11月にかけて、試作器の改良を行った。検出器の可搬性(運搬性)・堅牢性を向上するための構造上の改良とデータ取得系の改良を行い、データ転送速度を改善することで測定のlive timeが向上した。 屋外測定試験 平成22年11月には試作器を実際に2tトラックに積み込み、2日間にわたり、屋外におけるバックグラウンド測定試験を行った。屋外における試験を通じて、実際にトラックで測定する場合に生じる問題を洗い出し、温度・湿度の変化する屋外環境下で測定が行えること、室内と屋外でバックグラウンドとなる環境放射線の成分が異なることが分かった。 遠隔監視システムの開発 平成22年12月~平成23年2月にかけて検出器監視プログラムの整備を行った。本研究では、遠隔地において基本的には無人で原子炉のモニタリングを行うため、検出器の健全性を遠隔から確認できる仕組みが必要である。そのための検出器監視プログラムを作成し、遠隔から検出器の異常を監視できるようになった。 浜岡原子力発電所における予備実験 本年度の最後には、平成23年3月より浜岡原子力発電所における予備実験を開始した。
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Research Products
(4 results)