2010 Fiscal Year Annual Research Report
初期世代・超金属欠乏星の重元素分布再現から迫るガンマ線バーストの起源
Project/Area Number |
10J07342
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
泉谷 夏子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超新星 / 元素合成 / ニュートリノ / 金属欠乏星 / ガンマ線バースト / 原了核反応 |
Research Abstract |
本研究の目的は元素合成を通して超新星、GRB中心起源天体を解明することである。宇宙に存在する非常に重い元素は超新星やGRB中心で組成されたと考えられるが、その具体的な起源は未だほとんど知られていない。本研究ではあらゆる超新星モデルでの元素合成を通して重元素の起源とともに、超新星、GRB中心起源天体について考察する。さて、あらゆるモデルにおける元素合成計算には、陽子過剰から中性子過剰までの核種をくまなく含み、また、ニュートリノプロセスを含むあらゆる反応の反応率を取り入れた元素合成計算ネットワークが必要である。研究実施計画では一年目において、この元素合成計算ネットワークの開発を予定していたが、実際にあらゆる元素合成パスに対応する元素合成計算ネットワークを開発することができた。反応率については現在公開されている最新のものを用いているが、反応率の不定性の結果への影響を調査するために反応率を容易に変えることも可能であり、計算速度も良い。今後あらゆる天体現象における元素合成計算を実施する準備が整った。また、研究会出席についてであるが、原子核分野、素粒子分野、超新星分野横断型の研究会「From Quarks to Supernovae」に出席し、ポスター発表を行い、国内外の様々な研究者たちと議論することができ、最新の各分野の動向もつかむことができた。その他、恒星進化をテーマとした国際学会と、日本天文学会でも発表を行い、また、オーストラリアに約一ヶ月滞在し、より深く元素の起源について考えるために必須である銀河の化学進化についても学ぶことができた。このように、自身の研究に必要な道具の開発と、研究を完成させるのに必要な近隣分野の知識の習得とをバランスよく実現することができた。
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Research Products
(4 results)