2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J07472
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山下 耕平 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヘリウム4 / 量子固体 / 超固体 / ボース粒子系 / 固液転移 |
Research Abstract |
「量子性によって助けられた固体相(局在相)」を探索する目的で研究を行った。粒子間にレナード・ジョーンズポテンシャル(近距離での強い斥力と遠距離での引力から成る)が働くボース粒子系を考える。このとき量子性を反映した量子パラメターの値を振りながら、強相関ボース粒子系の基底状態における液相-固相相転移を拡散モンテカルロ法を用いて調べた。量子性があまり強くないうちには量子性が強まるとともに液相が安定化し、固相が不安定化するが、ある程度以上量子性が強まるとこの傾向が逆転することが予想された。しかし実際にシミュレーションを行ってみると、かなり大きな量子パラメター領域においても液相が安定であることが分かってきた。この原因として考えられるのは、いくら大きな量子パラメターを持っていても粒子間相互作用に引力が入っているため液相が安定化すると考えられる。そのため^4Heのレナード・ジョーンズポテンシャルからハードコアポテンシャルへと連続的に変化するよう、相互作用ポテンシャルの形状を変化させた場合についてのシミュレーションも行っている。
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