2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J07742
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
張 娟姫 広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 3-bridge presentations / arborescent links |
Research Abstract |
本研究の目的は、絡み目群の性質がどこまで絡み目の橋分解の位相的性質を反映しているかを調べることである。特に、「絡み目群がn個のメリディアンで生成されるならば、絡み目はn橋分解を持つか」という問題に取り組むことを目的に研究を進めている。この問題は3次元多様体のヘガード種数と基本群の階数の関係に関するWaldhausenの予想の、絡み目の橋分解版であり、nが2のときには正しいことがBoileau-Zieschangによって知られている。この問題について、Boileau教授との共同研究により、nが3の場合において部分的な解決を得ることができた。具体的には、代数絡み目の群が3個のメリディアンで生成されるならば、その絡み目は3橋分解を持つことを証明した。 また、ハンドル体絡み目を用いた絡み目の橋分解の新しい不変量を構成するための第一段階として、石井敦氏、岩切雅英氏、大城佳奈子氏との共同研究によってハンドル体の新しい不変量を構成することができた。更に、パソコンによる実験等によって、新しく構成した不変量が既存のハンドル体不変量よりハンドル体絡み目の区別により有効であることが確認できた。 これらの結果等について、国内外の研究集会・勉強会・セミナーにおいて計8回の研究発表を行った。また、Boileau教授との共同研究に関する概要等をまとめた論文が、研究集会「結び目の数学III」の報告集に掲載され、3橋代数絡み目の分類に関する論文がHiroshima Mathematical Journalに掲載されることも決定している。
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Research Products
(3 results)