2010 Fiscal Year Annual Research Report
アンモニア水を用いた芳香環アミノ化反応に有効な光触媒の開発
Project/Area Number |
10J07799
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
湯沢 勇人 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光触媒 / 局在表面プラズモン共鳴 / 可視光応答 / 芳香環アミノ化反応 / アンモニア / 水素生成 |
Research Abstract |
アニリン類は,樹脂や医薬品など様々な材料を合成する際の中間原料として重要であり,主に混酸により芳香環をニトロ化し,ニトロ基を還元する多段階反応で合成されるため,よりシンプルで高選択的にアニリン類を合成可能な反応系の開発が望まれている. 本研究室では,これまでにPt/TiO_2光触媒を用いたアンモニア水によるベンゼン誘導体の高選択的な芳香環直接アミノ化反応(Ph-H+NH_3aq→Ph-NH_2+H_2)を見出してきた.本反応は非常にシンプルで興味深い反応系であるが,反応活性が低いことが問題であった.そこで,本研究では,金ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴(LSPR)により発現する可視光光触媒作用を利用し,本光触媒反応の応答波長を可視光領域に拡大することが可能かを評価した. その結果,金ナノ粒子を光電着法で添加した酸化チタンにLSPR吸収極大波長(548nm)の領域の光(λ>510nm)を照射してベンゼンのアミノ化反応を行ったが,アニリンを得ることができなかった.そこで,本反応において重要なアンモニアの活性化が可能かを評価するためにアンモニア水からの水素生成反応(NH_3aq→N_2+3H_2)の検討を行った.金ナノ粒子を光電着法によって添加した種々の酸化物で本反応を検討したところ,Ga_2O_3およびLa_2O_3を使用した場合に水素が得られ,アンモニアの活性化が可能なことが見出された.また,水素生成活性と酸化物の伝導帯下端のポテンシャルの序列に相関がある事が分かった.これは,Ga_2O_3, La_2O_3の伝導帯下端のポテンシャルが,光励起された金ナノ粒子から酸化物伝導帯への電子注入,および伝導帯に注入された励起電子によるプロトンの還元反応(2H^++e^-→H_2)を進行させるのに適しているためであることを提案した.
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Research Products
(6 results)