2011 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理的大規模構造リファインメント~超遠縁からのホモロジーモデリング~
Project/Area Number |
10J07855
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 賢吾 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 構造配列アラインメント / ホモロジーモデリング / 置換行列 / 立体構造予測 |
Research Abstract |
近年配列順序を無視すると、よく重ねあわせることのできる構造ペアが多数見つかっている。このような構造ペアを見つけ出し、配列順序に依存しない配列-構造アラインメントを精度よくすることが可能になれば以下のことが期待される。(1)より良いテンプレートを見つけることができTBMの精度が向上する。(2)2次構造の配置は既存の構造と同じだが、繋ぎ方を変えただけのNewFoldの予測もテンプレートを用いて行うことが可能になる。今回我々は(2)の既存構造のつなぎ方を変えただけのNewFoldの予測に挑戦した。 テンプレートを用いた予測を行うにはテンプレートを見つけ、予測したい配列とアラインメントするというプロセスが必須である。しかし進化的に関係のなさそうなタンパク質ペアを配列順序に依存せず対応付けるには、どうしたらよいのかというのはよく分からない。そこで、我々は構造が似ているが進化的には関係の無さそうな構造ペア(配列順序を無視しないと上手くに重ねられないペアも含む)を多数用意し、それらを構造アラインメントツールで重ねあわせ、対応する残基の情報を解析した。 その結果、配列順所を無視して初めて重ね合わせることが出来る構造ペアの多くは残基数が大きく違うことが分かった。(構造ペアの片方は残基数が大きく、片方は小さい)また、その際に小さい蛋白質の表面に出ている残基を大きい蛋白質の埋もれた残基に対応づけているケースも多数見られ、蛋白質構造中の埋れている残基のみに着目することが、配列順序に依存しない配列-構造アラインメントにおいて重要であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はこれまで行き詰っていたテンプレートの利用法について新たな知見を見出すことができた、これによって本手法の更なる精度の向上が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は蛋白質の立体構造予測コンテストCASP10に参加しこれまで開発した手法を批判的に検証する。 またそれらの結果から問題点を洗い出しさらなる手法の改良に努める。
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