2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J08025
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
片平 浩孝 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 寄生虫 / 生物標識 / ニホンウナギ |
Research Abstract |
本研究の目的は、生態学的知見が極めて不足しているニホンウナギに対し、寄生虫を生物標識として有効活用することによって野外における分布・移動パタンおよび生態的地位を明らかにすることである。 昨年度までの調査の結果、特に、汽水域における本宿主の食性および冬期生態の一端が個々の宿主一寄生虫関係から明らかとなり、寄生虫によるアプローチが今後のニホンウナギ資源の管理・保全に有効であることが示された。本年度はその発展として「寄生虫群集」に着目し、耳石微量元素分析から識別したニホンウナギの各生活史型との対応関係を明らかにした。 1)愛媛県愛南町の御荘湾とその流入河川に生息するニホンウナギの消化管と標から得られた内部寄生虫17種(吸虫8種、条虫4種、線虫2種、鉤頭虫3種)を対象に、個々のウナギにおける種多様性パタンを調べた。これまで実施してきた耳石微量元素分析により、本地域のウナギには4パタンの生活史型(河川生息型、河口域生息型、湾内生息型、河川-湾間移動型)が存在することが明らかとなっており、これら生活史型間で寄生虫群集を比較したところ、i)移動性の高い生活史の個体ほど多くの寄生虫種が出現すること、ii)河川に比べて湾で生活する個体のほうが一度に複数の寄生虫に寄生される傾向が認められた。 2)また、ラホンウナギの鯉に寄生するシュードダクチロギルス類に関して、これまでその存在が認知されてこなかったPseudodactylogyrus kamegaiが、他のシュードダクチロギルス類と同様にウナギの国際貿易を通じてアジアから欧州に侵入した可能性を野外調査から見出し、国際誌(Diseases of Aquatic Organisms)において論文発表した。
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Research Products
(3 results)