2011 Fiscal Year Annual Research Report
生体超分子を利用した3次元メモリデバイスの作製および評価
Project/Area Number |
10J08129
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小原 孝介 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フローティングゲートメモリ / バイオナノプロセス / フェリチン / Bio-LBL法 / Ptナノドット |
Research Abstract |
本研究では,高性能および高信頼性のメモリ作製を研究目的として,積層ナノドット層が埋め込まれたフローティングゲートメモリ(積層ナノドット型メモリ)および薄膜トランジスタ型メモリ(TFT型メモリ)の作製を行った。フェリチンに内包されている酸化コバルトから金属コバルト(Co)を形成するために,ゲート酸化膜にナノドットが埋め込まれたMOS構造に対して,650℃の100%水素雰囲気中で熱処理を行った。その結果,ゲート酸化膜中に埋め込まれているCoナノドットが完全に還元している事が確認された。続いて,メモリ作製プロセスに関して,1つである高圧重水処理の条件を最適化する事で,前年度に作製した積層ナノドット型メモリよりも高性能および高信頼性のメモリを作製した。積層ナノドット型メモリの電気特性を測定した結果,ナノドットを積層させる事で,従来のフローティングゲートメモリよりもはるかに低電圧である5Vで動作するメモリを実現し,作製したメモリは電荷を10年以上保持する高信頼性のメモリである事も同時に確認した。 また,積層させるナノドットの種類を変化させ,1層目が鉄(Fe)ナノドット,2層目がCoナノドットである積層ナノドットが埋め込まれたメモリを作製した。1層目をFeナノドット層とする事で,メモリウィンドウ幅が増加している事が確認された。一方,電荷保持特性に関して,2層Coナノドットが埋め込まれたメモリよりも悪化している事が確認された。この特性の変化は,Feナノドットにおいて,水素雰囲気中での還元処理でFeが完全に還元せずFeナノドット中で酸化鉄とFeが混在しているためである。以上の結果から,ナノドットの種類を変える事でメモリ特性が変化することが確認された。 一方TFT型メモリに関して,Niフェリチンを利用して結晶化された多結晶シリコンおよびPtナノドットを利用する事で,従来のTFT型メモリよりも高性能で高信頼性のメモリをガラス基板上へ作製した。
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Research Products
(4 results)