2010 Fiscal Year Annual Research Report
LHC実験において,R-Parityの破れたSUSYを如何にして検証するか
Project/Area Number |
10J08132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 祥 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 素粒子物理学 / 超対称性理論 / LHC |
Research Abstract |
我々の宇宙はどのような理論で書き表すことができるのか。この問いに対する一つの回答として「標準模型」が確立されているが,これも宇宙の全てを記述しているわけではなく,未だ完壁な答えは得られていない。 超対称性理論(SUSY)は,より根源的な理論として最も有力な候補である。通常SUSYを考える場合には,R-parityという離散的対称性を恣意的に加えてやる。これにより,SUSYにおいて発生する,陽子が安定でなくなるという矛盾を回避すると同時に,暗黒物質の起源をSUSYの枠組みで説明することができる。 では,SUSYは果たして正しいのか。現在,CERNが行っているLHC実験において,SUSYの検証が行われているが,その検証はR-parityを仮定したSUSYを主眼に置いている。R-parityは必然ではないため,これだけでは不十分である。即ち,R-parityが無かった場合には,SUSYをみすみす見逃してしまうことになる。そして,未だにSUSYは見つかっていないし,その代替となるものも発見されていない。暗黒物質の起源も未だ不明である。 SUSYの発見を目指す上でR-parityが破れている可能性を考慮することは不可欠であり,その場合の発見手法を確立することは,喫緊の課題である。 SUSYでは,標準模型に無い粒子が現れる。その中で最も軽いものがstauである場合には,R-parityの僅かな破れが期待され,結果としてstauが「やや長生き」になる。 私は他の研究者と共同で,stauが「やや長生き」な模型では,LHC実験において粒子の軌跡の折れ曲がりが観測されることを発見した。即ち,軌跡の折れ曲がりを観測することでR-parityの破れたSUSYを発見することができる。この成果は2011年4月現在,論文誌に投稿中である。
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Research Products
(3 results)