2012 Fiscal Year Annual Research Report
連続量クラスター状態を利用した量子状態操作の実現に関する研究
Project/Area Number |
10J08136
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鵜飼 竜志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子エンタングルメント |
Research Abstract |
クラスターモテルの量子計算で利用されるクラスター状態が、より多モード(多者間)のエンタングルした状態であるほど、より多段階の量子計算を実現することができる。平成23年度までの実証実験で利用していた手法では、クラスター状態の大きさに比例して光学系が肥大化するため、多モードのクラスター状態を生成するには望ましいものではなかった。 それに対して、近年提案された「クラスター状態の各モードを異なる時刻に配置する」という時系列の手法を利用すると、静的な光学系を利用して原理上任意のサイズのクラスター状態を生成することができるようになる。しかし、この手法により生成されるクラスター状態は複雑な構造を持っていたため、量子計算への利用方法については不明瞭であった。そこで本年度の研究では、まずこれに対する解を求めた。 つまり時系列の手法によって生成されたクラスター状態を用いた量子計算は、量子テレポーテーションの繰り返しと等価であることを発見し、これよりクラスター状態の全てのモードの自由度を演算に利用出来ることを示した。 この発見により、生成したクラスター状態を効率よく量子計算に利用することが出来るようになる。さらに、時系列の手法により生成されたクラスター状態を利用した量子計算の実験系の概略を提案した。 続けて、時系列の手法による多者間のエンタングルした状態の生成実験を行った。2台の光パラメトリック共振器を利用して生成したスクイーズド光をビームスプリッターで合波し、その出力の一方をファイバーによって遅延させ、再度別のビームスプリッターで合波する。この手法により、16000モードのエンタングルした状態の生成に成功した。この大規模なエンタングルした状態の生成は学術的な意味があるだけではなく、上記の理論提案と合わせて将来における多段階の量子計算の実証につながることが期待される。
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[Presentation] 超多者間量子エンタングルメントの生成2012
Author(s)
横山翔竜, 鵜飼竜志, Armstrong聖士, Chanond Sornphiphatphong, 加治俊之, 鈴木重成, 吉川純一, N. Menicucci , 古澤明
Organizer
量子情報処理プロジェクト全体会議2012
Place of Presentation
東京大学小柴ホール、東京都
Year and Date
2012-12-14
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