2010 Fiscal Year Annual Research Report
Spredのがん抑制遺伝子としての機能解明とがん幹細胞における役割の解明
Project/Area Number |
10J08350
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石埼 卓馬 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Spred1 / マイクロRNA126 / 肥満細胞 / ERK / IgE / サイトカイン / 骨髄細胞 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
マウスにおいて造血幹細胞(HSC)およびほとんどの血球系細胞にSpred-1、Spred-2は発現している、幹細胞因子(SCF)などの幹細胞因子のシグナルの負の制御因子である。Spredは白血病発症および幹細胞維持に寄与する可能性が高く,これらを明らかにすることが,本研究の目的である。平成22年度はSpred-1,2の相補的機能を除外するための血液細胞特異的なcDKOマウスを作製と,Spred1欠損骨髄細胞をIL3とSCFで培養してできる骨髄細胞由来肥満細胞(BMMCs)の機能解析を行った。また血管新生においてマイクロRNA(miRNA)126がSpred1を標的遺伝子として発現低下させることから,造血系や免疫系におけるmiRNA126の影響を併せて解析した。loxp-creを用いてSpred-1コンディショナルKOマウス(flox/flox)を作製し既に作製済みのSpred-2KOマウスを交配させてSpred-1(f/f) Spred-2KOマウスの作製を試みているが,未だ得られていない。Spred1欠損BMMCsはIL3,SCFに対する増殖が亢進しており、IgE-Fcεレセプター刺激に対するIL6、TNFα、IL13の産生が亢進していた。これらではERKのリン酸化亢進を認めた。またmRNA126を過剰発現したBMMCsはSpred1欠損BMMCsと同様にIL3,SCFに対する増殖,サイトカイン産生亢進を認めた。この効果はSpred1欠損BMMCsにmiRNA126を強制発現させたものでは認めなかったことから,Spred1を標的とした効果であることが分かった。つまり造血系,免疫系においてSpred1はERKのリン酸化亢進により細胞増殖,サイトカイン産生を制御しており,miRNA126はSpred1の発現低下を介してそれらを制御していることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)