2011 Fiscal Year Annual Research Report
非極性窒化物半導体の選択成長と発光デバイスへの応用に関する研究
Project/Area Number |
10J08374
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
馬 ベイ 三重大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非極性 / 無極性 / GaN / LOPC / キャリア濃度 / ラマン分光 / A_1(TO) / E_1(TO) |
Research Abstract |
本研究では、MOVPE法により非極性窒化物半導体の選択成長技術を用いて、新規デバイスを実現することを目的とする。無極性、半極性及び極性の自立基板を用いたLEDは緑領域の発光が確認されている。しかし、その物性などが検討されていない。今年度は無極性、半極性及び極性の自立基板のラマン分光に関する研究を行い、以下のことを明らかにした。 (1)本研究はHVPE法による高品質な厚膜結晶より切り出された無極性面、半極性面、極性面の結晶を用いた。試料のX線半値幅は100arcsec以下で、例えば(10-10)面のGaNの半値幅は85arcsecであり、結晶性が非常に優れている。 (2)ラマン散乱分光により全ての試料においてE_2(low),E_2(high),A_1(TO),E_1(TO),LOPCモードが観測された。結晶の面方位を無極性面である(10-10)面から極性面である(0001)面を変えることによって、730cm^<-1>から760cm^<-1>付近でLOPCモードが観測された。一般的に知られているように、LOPCモードのラマンスペクトルのピークはキャリア濃度に比例してシフトしている。それに加えて、ラマン選択則によりLOPCモードが面方位と対応していると考えられる。シミュレーションで面方位によってキャリア濃度が変化しているときのLOPCモードのラマンスペクトルのピーク位置を算出した。ホール測定で得られたキャリア濃度と理論計算を比較し、0.4×10^<17>cm^<-3>の誤差でほぼ一致していることがわかる。 上記(1)と(2)により、今年度は非極性GaNバルクの光物性ラマン振動モードにおいてピーク位置を定め、そして非極性GaN基板のLOPCモードピーク位置でキャリア濃度の算出を提案し、その誤差を見極めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共著研究で、無極性面であるm面GaN自立基板上に,<0001>方向と<11-20>方向の2種類のストライプSiO_2マスクパターンを作製し,成長温度やリアクタ圧力などの成長パラメータを変化させて,MOVPE法による選択成長を行った。当初の二年目の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
m面GaN自立基板上にMOVPE法による選択成長を行うには、m面基板に合った成長条件を出すために、温度、圧力、V/III比などの条件最適化する必要がある、最適化するには予想より時間がかかり、そして基板が限られていたため、研究推進にも妨げたと考えられる。基板の確保や実験回数の見直しなどを行い、研究を加速させることを考えている。
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Research Products
(13 results)