2010 Fiscal Year Annual Research Report
撥水性固体表面の不均一性が静的・動的濡れ性に及ぼす影響の実験的解明
Project/Area Number |
10J08538
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
古田 勤 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 濡れ性制御 / 超撥水性表面 / ケミカルパターンコーティング |
Research Abstract |
本研究ではnmレベル及びμmレベルの物理的・化学的不均一が撥水性能に与える影響を明らかにすることを目的としている。意図的に(1)物理的不均一性、(2)化学的不均一性を付与したパターンコーティングを作製し、パターンサイズ、液滴サイズを系統的に変化させることで各項目の濡れ性への影響の検討を行っている。 (1)各種固体表面にセラミックス球状粒子をランダムに堆積させたのち、援水コーティングを施すことで、nmオーダーの物理的粗さを有した超撥水性コーティングの作製に成功した。施す撥水性コーティングの種類を変化させ、固体表面の濡れ性を制御することで、濡れモード転移現象の検討を実施した。その結果、表面の濡れ性の違いにより、結露状態での濡れモード転移現象に違いがあることが明らかとなった。今後は微小液滴(ナノリットルオーダー)蒸発過程における濡れモード転移現象の表面粗さサイズ依存性を検討する予定である。 (2)固体表面に撥水性コーティングを形成した後、真空紫外光(172nm)とフォトマスクを用いてコーティングの一部をエッチングする方法により、親水部を含有する撥水性パターンコーティングを4種類作製した。これらのコーティング上での水滴転落挙動を観察し、表面欠陥サイズが液滴の移動に及ぼす影響を検討した。その結果、液滴移動開始時と液滴移動時で表面欠陥は異なる影響を及ぼすことが明らかとなった。今後は計算科学的解析・流動シミュレーションを用いて、これらの現象のモデル化に取り組む予定である。
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