2011 Fiscal Year Annual Research Report
ペリ環状分解反応を用いた新規ポルフィリン色素の探索とその電子的性質の考察
Project/Area Number |
10J08603
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
魚山 大樹 九州大学, 工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 逆Diels-Alder反応 / ポルフィリン / ベンゾポルフィリン / オリゴマー / TD-DFT計算 / 前駆体法 |
Research Abstract |
共役拡張型ポルフィリンは非線形光学材料や分子デバイスなどへの応用が期待されている。しかし、それらの化合物は有機溶媒に対する溶解性の問題などから合成が困難である。本申請では、溶解性に由来する諸問題をBCOD骨格のペリ環分解反応の1つである逆Diels-Alder反応を利用することで克服し、共役拡張型オリゴポルフィリンの合成を行う。さらに、共役拡張型ポルフィリンの物性を測定し、理論計算を用いて電子状態を詳細に考察することで新しい機能性色素を作成するための指針をつくることを目的とした。 テトラベンゾポルフィリンよりもベンゼン環の数が少ないモノベンゾポルフィリン、ジベンゾポルフィリン、トリベンゾポルフィリンは共役拡張ポルフィリンの性質を知る上で重要な化合物ある。これらのベンゾポルフィリンの合成には、構成単位となるイソインドールの安定性と生成したベンゾポルフィリンの溶解性の問題があり、置換基のないものは合成されていない。本年度は、原料の安定性と生成物の溶解性を克服することのできるBCODピロールを用いて、モノベンゾポルフィリン、ジベンゾポルフィリン、トリベンゾポルフィリン前駆体を合成し、逆Diels-Alder反応を用いてモノベンゾポルフィリン、ジベンゾポルフィリン、トリベンゾポルフィリンへと変換した。TD-DFT計算より得られたベンゾポルフィリン類のuv-Visスペクトルと電子状態の関係を明らかにし、ポルフィンの共役拡張を行う際、共役拡張の大きさだけではなく、共役を広げる方向も重要であること示した。
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[Journal Article] Porphyrin Molecular Tweezers for Fullerenes2011
Author(s)
H.Uno, M.Furukawa, A.Fujimoto, H.Uoyama, H.Watanabe, T.Okujima, H.Yamada, S.Mori, M.Kuramoto, K.S.Kim, K.Kuroki, T.Iwamura, N.Hatae, F.Tani, N.Komatsu
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Journal Title
Journal of Porphyrins and Phthalocyanins
Volume: 15
Pages: 953-963
DOI
Peer Reviewed
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