2011 Fiscal Year Annual Research Report
減数分裂組換えにおけるクロマチン構造の機能と制御方法
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10J08626
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 真太郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 生物学 / 分子生物学 / 遺伝学 / 減数分裂 / 減数分裂期組換え / クロマチン / ヒストン修飾 / 分裂酵母 |
Research Abstract |
真核生物において、配偶子の正常な形成や遺伝的多様化に重要な機構の一つが、減数分裂期にみられる相同染色体間の組換えである。この組換えは、染色体上の特定領域「組換えホットスポット」で頻発することが知られている。生体内のDNAはヒストンに巻き付いて、それが更に凝集した「クロマチン構造」を形成しており、この局所構造が転写や組換えなどのDNA関連反応に影響する。そのため、ホットスポットが組換えに有利な構造を取っていると考えられている。このクロマチン構造の制御に重要な一要因が、ヒストンの翻訳後修飾である。しかし、ヒストン修飾の組換えにおける機能は不明な点が多い。そこで本研究では、減数分裂組換えのクロマチン構造による制御の解析を、組換え活性化におけるヒストン修飾に注目して行う。 平成22年度までの研究から、実験系として有用な分裂酵母のホットスポット「abe6-M26」において、遺伝的組換え活性化レベルと相関するヒストン修飾のパターンを見出した。これをふまえて行った23年度の研究により、(1)上記のヒストン修飾パターンが、転写活性化時にも共通してみられるものではなく、組換えに特徴的であること、そして、(2)パターンを形成するヒストン修飾が、組換え開始を促進していることが示唆された。従って、abe6-M26周辺において、組換えに特徴的なヒストン修飾パターンが形成されることで、そこでの組換え開始反応が促進されている可能性がある。24年度は、abe6-M26で得られた知見の一般性を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、減数分裂組換え活性化の分子機構をヒストン修飾、クロマチン構造の観点から明らかにすることを目的にしている。平成22-23年度は、特定のホットスポットにおけるヒストン修飾の機能を詳細に調べ、24年度はその一般性を検証する計画である。 平成23年度までの研究から、実験系として有用な分裂酵母のホットスポット「abe6-M26」において、組換え活性化に関わるヒストン修飾とその組換えにおける意義を明らかにした。24年度はその一般性を検証できる状態であり、計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度までの研究から、分裂酵母のホットスポットabe6-M26において、組換え活性化に関わるヒストン修飾パターンとその組換えにおける意義を明らかにした。24年度はその一般性を検証する。そのため、クロマチン免疫沈降(ChIP)とマイクロアレイを組み合わせたChIP on chip解析法により、ホットスポット周辺のヒストン修飾や、ヒストン修飾の変異による組換え位置と頻度の変化をゲノムレベルで調べる予定である。
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Research Products
(5 results)