2010 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞解析のためのセミクローズド・システム創製と応用に関する研究
Project/Area Number |
10J08644
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹内 大 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 単一細胞解析 / プローブデバイス / 細胞操作 / 感熱応答性ポリマー / マイクロマニピュレーション |
Research Abstract |
本研究では,我々が提案しているセミクローズド・システムによる単一細胞解析システムの構築を最終目的としている。本年度はセミクローズド・システム内で用いるためのプローブデバイスの作製,評価を行い,細胞等の操作実験へと応用した. まず,感熱応答性ゲル溶液をアクチュエータとし,溶液の噴出・吸引を制御するプローブについて定量的な評価を行った.これにより,nlオーダーでの溶液の噴出・吸引が可能であることを確認し,現存するデバイスに対する単一細胞操作における本プローブの有用性を示した.また,プローブ先端にマイクロヒータを有する新たなプローブデバイスを提案,作製した.このマイクロヒータを用いることにより,作製したプローブの先端に感熱ゲルを発生させることに成功した.さらに,発生させた感熱ゲルを用いてマイクロオブジェクトを把持,操作することに成功した.これにより,表面力による把持物体の接着という,マイクロスケールにおけるマイクロオブジェクト操作において問題となる現象の低減を実現し,把持物体を狙った位置に正確に置くことを実現した.このプローブを用いてマイクロスケールの3次元構造体を作製することに成功し,本プローブの高い操作性を示した. これらの研究成果は,学術雑誌としてJournal of Robotics and Mechatronicに掲載され(Vbl.22,No.5),国際会議IEEE International Symposium on Micro-Nano Mechatronics and Human Science(MHS2010),国内学会Robomec 2010,第28回日本ロボット学会学術講演会において発表し,研究成果の公表に努めた.また,MHS2010においてはBest Paper Awardを受賞した.
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