2010 Fiscal Year Annual Research Report
イオン-電子(ホール)混合導電性無機材料の開発と燃料電池電極への展開
Project/Area Number |
10J08873
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅本 麻紀子 東京大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 燃料電池 / ペロブスカイト型酸化物 / 電気泳動堆積法 / CO酸化触媒活性 |
Research Abstract |
現在提案されている燃料電池でカバーできない中温度域(200-500℃)で発電できる燃料電池の開発頭必要である.この中温型燃料電池を実現するために,本年度は(A)中温作動燃料電池用カソードの開発,(B)酸素イオン-電子混合導電性ペロブスカイト型酸化物の酸素活性化能の向上を中心に検討した. (A)中温作動(500℃)燃料電池用ペロブスカイト型酸化物カソードの開発 電極の微細構造が発電特性や過電圧に与える影響について調べた.空気極の粒子サイズが小さいほど高い発電特性を示し,これは空気極過電圧の低下が主因子として影響していることを明らかにした.また,電気泳動堆積法を電極作成に適応し,電極膜厚の制御,電解質-電極界面の密着性の改善に成功した.電極膜厚依存性を調べたところ,電極膜厚に対して相反する依存性を示す電極内のガスの拡散性と集電効果が存在することを指摘した. (B)酸素イオン-電子混合導電性ペロブスカイト型酸化物のBサイト置換による酸素活性化能の向上 Bサイトに異なる金属種を共存させたペロブスカイト型酸化物の調製を有機シアノ錯体の熱分解法により行い,そのCO酸化活性について評価した.本法により調製したBサイト複核のペロブスカイト型酸化物は格子定数の変化よりBサイトの部分置換が精密に行われていることがわかった.また,ランタノイドの種類によらず,x=0.5のときCO酸化活性が最も高かった.XPSによる表面分析より,Bサイト複核ペロブスカイトは単核よりも表面Bサイト濃度が高いことがわかった.CO酸化活性の向上は,表面Bサイト濃度が増加したことに起因すると推察した.これらの電気化学的測定は来年度に計画している.
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Research Products
(8 results)