2010 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品開発に用いるクロスカップリング型トリフルオロメチル化法の開拓
Project/Area Number |
10J08891
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 洋幸 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 不斉トリフルオロメチル化 / フッ素 / クロスカップリング / 医農薬合成 |
Research Abstract |
トリフルオロメチル基の不斉クロスカップリング反応を実現するため,まずはベンジルブロミドへのトリフルオロメチル基のカップリング反応を検討した。本反応では,生成物に不斉中心が存在しないため,不斉トリフルオロメチルクロスカップリング反応ではないが,第二級ハライドへのトリフルオロメチル化反応への展開を考え,まずは本反応を開発した。近年,カップリング反応による,芳香族へのトリフルオロメチル化反応は盛んに研究され,多数の論文が報告されている。しかし,ベンジル位へのトリフルオロメチル化反応は,報告例が少なく,一般性も極めて低い。そこで私は,電子的トリフルオロメチル化試薬とCuを用い,系内においてCuから求電子的トリフルオロメチル化試薬への一電子還元から生じるCuCF3種を用いることで,ベンジルブロミドのトリフルオロメチル化反応が進行することを見出した。また,顕著な殺虫効果を示すトリフルオロメチル置換イソキサゾリンの世界初の触媒的不斉合成法を開発した。シンコナアルカロイド由来キラルアンモニウムブロミド存在下において,β-トリフルオロメチル-α,β-不飽和カルボニル化合物とヒドロキシルアミンとの共役付加/環化/脱水反応の連続反応によりイソキサゾリンを初めて高収率,高エナンチオ選択性で得ることに成功した。またアルキニルケトンへの高エナンチオ選択的トリフルオロメチル化反応を達成し,光学活性トリフルオロメチル置換プロパルギルアルコール類の初の実用的合成法を開発した。さらに得られたトリフルオロメチル化体は,脱保護により末端アルキンへと変換可能である。得られた末端アルキンは生理活性物質合成のユニットとして魅力的なトリフルオロメチル置換アリールヘテロアリールカルビノール群に変換することが可能である。
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Research Products
(5 results)