2011 Fiscal Year Annual Research Report
特殊透過現象を用いたサブ波長構造光学デバイスの研究
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10J09000
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 悦男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | サブ波長構造 / 表面プラズモン / 水素吸蔵 / 光センサ |
Research Abstract |
本研究の目的は、金属サブ波長構造配列を用いた、光学デバイスを試作評価することである。前年度に引き続き、(1)サブ波長構造デバイスの性能評価(2)新しいサブ波長構造デバイスの設計と試作評価(3)光学デバイスの集積化に関する検討を平成23年度に行った。 (1)サブ波長構造デバイスの性能評価 金属材料としてパラジウムを選択し、パラジウムの水素化について誘電率の分散性を考慮しLorentz-Drudeモデルのパラメータフィットを行った。構造形状については、電波領域におけるアンテナの考え方を応用し、Frequency-Selective-Surfaceと呼ばれる構造配列を用いることとした。光学パラメータの変化に対して、サブ波長構造が形成する伝搬定数のTransparent-Windowが作用することを示した。 (2)新しいサブ波長構造デバイスの設計と試作評価 近年の論文で提案された新しい構造試作法(高アスペクト比ナノフィン構造)について、サブ波長構造デバイスへの応用を検討した。具体的には、光を増強した際の電場の増強効果について注目し、Poyinting-Vectorを用いた構造形状と波長の関係性について明らかにした。また、試作評価については、紫外-近赤外分光計を用いて、高アスペクト比ナノフィン構造の反射スペクトルを計測した。結果として、光学解析結果と実験結果がよく一致することを示した。 (3)光学デバイスの集積化に関する検討 光学デバイスの集積化に関する検討を行った。これまでに試作したサブ波長開口配列は赤外領域の光を用いるため、光源やディテクタの小型化が困難である。しかし、高アスペクト比ナノフィン構造は、紫外-近赤外領域において動作するため、比較的、光源やディテクタの小型化、集積化が容易である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブ波長構造デバイスのうち、サブ波長ホールアレイにおける異常な透過現象について、子細な検討を行い、伝搬定数と透過波長の関係を実験とともに示した。また、新規の構造体として、ナノアンテナやナノフィン構造について、実験および解析が順調に遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題については、種々の構造の検討を行った。今後は電場の増強効果を用いて、光化学分野へ展開したいと考えている。
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Research Products
(8 results)