2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J09121
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石舟 智恵子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | Notchシグナル / 自然免疫細胞 / RBP-J / CD4 / 粘膜固有層 / 小腸 / 生存 / 分化 |
Research Abstract |
腸管に存在する樹状細胞(DC)の分化・機能におけるNotchシグナルの関与を解明し、Notch及びDCが腸管免疫応答に果たす役割を明らかにすることを目的として研究を進めた。recombination signal binding protein for immunoglobulin kappa J region(RBP-J)はNotchの細胞内ドメインと相互作用し、Notchシグナル伝達に重要な転写因子である。昨年度までに、DCマーカーであるCD11cを発現した細胞でNotch3シグナルを欠損するマウスであるCD11c^<cre>RBP-J^<Flox/Flox>マウス(RFF11c)を用いて小腸の粘膜固有層の細胞集団をフローサイトメーター解析し、RFF11cマウスでは、CD4^+CD11c^<low> CD11b^<low>の小腸粘膜固有層細胞(CD4^+sLPC)が欠損することを見出していた。本年度は免疫染色法を用いてRFF11cマウスでCD4^+sLPCが欠損する事も確認した。OCD4^+sLPCの表現系は、CD103,CD8αが陰性で、マクロファージマーカーであるF4/80が陽性であった。また、CX_3CRI^<GFP/+>ノックインマウスを用い、CD4^+sLPCはケモカインレセプターCX_3CR1を発現することを確認し、この発現から、CD4^+sLPCは腸管の管腔側から抗原を捕捉するCX_3CR1^+細胞であると考えられた。 CD4^+sLPCの分化機序を調べるために、まずNotchレセプターの発現を調べたところ、他のAPCサブセントと比較して、Notch2および3の高い発現が認められ、CD4^+sLPCは生存・分化にNotchシグナルの要求性が高いと考えられた。さらに、Notchレセプターの遺伝子改変マウスを用いた解析を行ない、Notch3欠損マウスではCD4^+sLPCの細胞分画には変化が認められなかったが、CD11c^<cre>Notch2^<Flox/Flox>マウス及びCD11c^<cre>Notch1^<Flox/Flox>Notch2^<Flox/Flox>マウスでは、CD4^+sLPCの減少が認められた。よって、少なくともNotch2がCD4^+sLPCの分化に必凄であると考えられる。現在のところ、腸管に存在する自然免疫細胞の生存・分化における特定の因子の重要性はほとんど証明されていない。よってサルモネラ感染での重要性が認知されているCX_3CR1^+CD4^+sLPCの生存・分化におけるNotchシグナルの役割を解明することは非常に意義があり、本研究は腸管免疫応答の制御機構を解明するための手がかりとなる可能性がある。
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Research Products
(6 results)