2010 Fiscal Year Annual Research Report
メンブレントラフィックによる細胞分裂の制御とそれに関わる遺伝子ネットワークの解明
Project/Area Number |
10J09265
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
北澤 大志 京都工芸繊維大学, 昆虫バイオメディカル教育研究センター, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞分裂 / メンブレントラフィック / 細胞生物学 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
メンブレントラフィックの研究は、タンパク質や脂質が安定的に合成、運搬される分裂間期の細胞を使っておこなわれてきた。そのため、細胞周期との関連についてはあまり検討されてこなかった。ところが最近、メンブレントラフィックと細胞周期との接点が見え始めており、2つの研究は、新展開を迎えている。これまでの研究により、膜輸送タンパク質COPIが、細胞周期、特に細胞質分裂において重要な役割を担うことが明らかになった。すなわち、両分野を結びつける1つのキータンパク質であることが分かった。ショウジョウバエでは、組織、発生時期特異的なRNAi技術や遺伝子工学技術が確立されており、さらに細胞周期の研究における膨大な知見も蓄積されているので、COPIやメンブレントラフィックに関わるタンパク質が細胞周期とどのように関連するのかを解析するのに極めて優れたモデルになる。そこで本年度、細胞質分裂やゴルジ体の分配に関わるゴルジ体関連遺伝子の遺伝学的スクリーニングをおこない、50の遺伝子をノックダウンし解析したなか、新たに11の遺伝子をその候補に同定した。さらに染色体、微小管、核膜、ミトコンドリア、ゴルジ体、小胞体の構成タンパクに、蛍光タグをそれぞれ付与したものを減数分裂細胞内で同時に発現できる系統を作成した。上記の蛍光タンパク質を観察することにより、減数分裂期を通して細胞内構造の動態を観察できるようになった。COPIの中心的な構成成分であるAlphaCOPサブユニットをノックダウンすることにより雄減数分裂期のメンブレントラフィックを阻害すると細胞質分裂、小胞体構造の構築をも影響を受けることが分かった。これらの細胞内構造の分配がメンブレントラフィックの制御下にあることがわかった。上記の結果をとりまとめ論文を投稿した。
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Research Products
(3 results)