2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J09276
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉置 悠祐 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 特別研究員(DC1)
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Keywords | CO_2還元 / 超分子錯体光触媒 / ルテニウム錯体 / レニウム錯体 / オスミウム錯体 |
Research Abstract |
光増感部としてルテニウム(II)トリスジイミン錯体、触媒部としてレニウム(I)ビスカルボニル錯体もしくはルテニウム(II)ビスカルボニル錯体を有する超分子錯体を光触媒、1,3-dimethy1-2-ary1-2,3-dihydro-1H-benzo[d]imidazole(BI(X)-H,X=H,OH)を犠牲還元剤として用いると、CO_2を還元してCOもしくはギ酸を選択的に生成し、またその光触媒能は、これまでに報告されている超分子光触媒で最も高い値であった(Φ_<CO>=0.45,TON_<CO>=3029,TOF_<CO>=35.7min^<-1>;Φ_<HCOOH>=0.46,TON_<HCOO>H=2599,TOF_<HCOOH>=44.9min^<-1>)。この光触媒反応におけるBI(X)-Hから超分子錯体への電子供与過程を、時間分解分光法やBI(X)-Hの酸化生成物の定量により明らかにした。すなわちBI(X)-Hは、超分子錯体へと光誘起電子移動反応を起こした後、脱プロトン化を経て生成したラジカルが、他の基底状態の超分子錯体へともう一電子を供与するという二電子供与体として働いていることが分かった。 また、光触媒反応に利用できる可視光の波長領域の拡大を目指して、ルテニウム(II)錯体の代わりにオスミウム(II)トリスジイミン錯体を光増感部、レニウム(I)ビスカルボニル錯体を触媒部に導入した超分子錯体を合成した。この超分子錯体は、400-730nmの非常に幅広い波長領域の可視光を吸収することができ、ルテニウム(II)錯体が吸収できなし、>620nmの光を照射したところ、CO_2をCOへと選択的に還元する光触媒として働いた(Φ_<CO>=0.12,TON_<CO>=1138)。すなわち、従来のルテニウム(II)錯体を光増感部として有する超分子錯体光触媒は駆動しない、赤色光照射下で駆動するCO_2還元超分子錯体光触媒の開発に成功した。
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Research Products
(6 results)