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2011 Fiscal Year Annual Research Report

新規Ir-PNP錯体を用いた二酸化炭素の固定化反応の開発

Research Project

Project/Area Number 10J09448
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

田中 亮  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)

Keywords二酸化炭素 / 水素化 / ピンサー配位子 / イリジウム / ギ酸
Research Abstract

二酸化炭素を基質として用いた新しい触媒反応の開発を目指し、ピラジン環を持つ新規Ir-PNP錯体の合成に取り組んだ。これまでのPNP配位子の合成においては合成中間体となるジリチオ体の溶解性が低く、使用できる前駆体に制限があったが、ピラジンに対して2当量のヘキサメチルリン酸トリアミドを系中に加えることによりこの問題を解決し、低収率ながらピラジン骨格を有するPNP配位子を得た。このピラジン配位子とイリジウム前駆体を水素加圧下で反応させることにより、イリジウムトリヒドリド錯体を得た。赤外吸収スペクトルにおける窒素のtrans位のヒドリドとイリジウムの間の伸縮振動は対応するピリジン骨格を持った錯体の伸縮振動よりも低波数側に観測され、ピラジン配位子はピリジン配位子と比べて金属に対する電子供与性が高いことが分かった。また、得られたピラジン錯体を用いた二酸化炭素の水素化におけるギ酸カリウムの生成速度は対応するピリジン錯体を用いた場合と比べると4倍程度であった。
加えて、前年度に引き続きIr-PNP錯体を用いた二酸化炭素の水素化について計算化学による反応機構解析を行い、予想していたジヒドリドアミド錯体を通る経路とは別に水素分子が配位した錯体を通る経路が存在し、2種類の反応経路が協奏的に働いていることを明らかにした。前者の反応速度は塩基の強さに、後者の反応速度は水素圧にそれぞれ影響され、これらの結果は実験事実とよく一致した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ピラジン骨格を持つイリジウムPNP錯体の合成に成功し、イリジウム上の電子密度をより詳細にチューニングできるようになった。また、計算化学による素反応の解析により、実験化学的に観測が困難であった新たな中間体の性質を明らかにした。これらの結果は二酸化炭素の化学のみに限らず、今後イリジウムPNP錯体を用いた新規触媒反応を開発する上で重要な知見となる。

Strategy for Future Research Activity

本研究で合成した様々なイリジウムPNP錯体に関して、二酸化炭素や水素以外の基質との素反応を詳細に検討することにより、より多くの触媒反応に展開が可能であると考えられる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Mechanistic Studies on the Reversible Hydrogenation of Carbon Dioxide Catalyzed2011

    • Author(s)
      R.Tanaka, M.Yamashita, L.W.Chung, K.Morokuma, K.Nozaki
    • Journal Title

      Organometallies

      Volume: 30 Pages: 6742-6750

    • DOI

      10.1021/om2010172

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-06-26  

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