2010 Fiscal Year Annual Research Report
負の固定電荷を有するアルミオキサイド保護膜を用いた超高効率シリコン太陽電池の開発
Project/Area Number |
10J09476
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
入川 淳平 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 結晶シリコン / 太陽電池 / パッシベーション / 負の固定電荷 / アルミオキサイド / ポイントコンタクト / アニール |
Research Abstract |
本年度の第一の目標は、アルミオキサイド膜と結晶シリコンとの界面付近を詳細に評価することにより、界面における負の固定電荷の発生メカニズムの解明を行うことである。アニール後のアルミオキサイド膜に原子状水素処理を行うことにより、界面に存在していた負の固定電荷が消失し、正の固定電荷が発生していることを明らかにした。この際弾性反跳検出分析(ERDA)およびラザフォード後方散乱法(RBS)より、475℃のアニール、および原子状水素処理により、上記の界面付近において、組成が変化していることが分かった。特に、酸素とシリコンの結合状態が変化しており、これに伴う配位状態の変化が固定電荷の発生・消失に関連しているのではないかと考えられており、今後、さらなる詳細な解析が必要である。アルミオキサイド/結晶シリコン界面では、負の固定電荷量をなるべく増加させる必要があるので、負の固定電荷の発生メカニズムに関する見識を得るのは重要である。 本年度の第二の目標は、太陽電池レベルにおいて、ポイントコンタクト構造の改善による裏面再結合の抑制により開放電圧を向上、およびTCOの改善により短絡電流を向上させることである。ポイントコンタクト構造の開口率を制御、および開口部をヘテロ接合にすることにより、裏面の再結合が減少し、開放電圧が630→650mV程度に改善した。また、TCOの移動度を25→70cm^2V^<-1>s^<-1>程度に改善することにより、短絡電流が33→35mA/cm^2程度に改善した。
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