2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J09518
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森本 義謙 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 磁性粒子 / 自己組織化 / バイオセンサ / 超常磁性体 / ナノバイオ磁気工学 / マイクロ流体デバイス / ポイントオブケア / 早期発見早期治療 |
Research Abstract |
「研究の目的」 本研究の目的は、医療・バイオ分野における革新的な携帯型のバイオ物質検出手法を開発することである。すなわち、既存の蛍光式バイオセンサの感度と同程度またそれ以上の感度を持つ携帯型のバイオ物質検出手法を開発する。この本研究で開発するシステムは簡便・安価・迅速などの点から在宅診断に最適であり、インフルエンザなどの疾患を早期発見・治療することができ、患者の生活の質を向上させることができると期待される。 「平成22年度研究実施計画」 (1)"磁性粒子の自己組織化の磁気双極子相互作用メカニズムの解明" (2)"外付けポンプ不要な携帯型マイクロ流体デバイスの開発" 「具体的内容」 従来の磁気センサと磁性粒子を用いた磁気的なバイオ物質検出手法は様々な利点を有するためこれまで活発に研究が行われてきた。しかし、感度向上には少数かつ200nm以下の磁性粒子を検出する技術が必要不可欠であるが素子のバックグランドノイズなどの問題から、従来の手法ではそのような磁性粒子の検出が困難である。そこで、私はこれまで未解決であったこの課題において「磁性粒子の自己組織化」という現象を発見・応用するとともに発現機構を解明し課題解決に成功した。この手法は光学顕微鏡を用いて磁性粒子の自己組織化を観察することで高速・簡易にバイオ物質を検出する技術として期待ができると世界で初めて報告した。またこの研究をさらに発展させる過程で外部ポンプ不要なマイクロ流体デバイスの開発に成功した。 「意義と重要性」 (1)少数のナノ磁性粒子(200nm以下)検出することで極めて微量な試料で十分に解析が可能になる。 (2)本開発検出手法を用いるとインフルエンザのようなウィルスを早期に発見でき早期治療の実施が可能になる。 以上本研究は独自に見出した検出手法を用い世界で初めて「携帯可能な磁気バイオ物質検出手法」の開発とその機能性の探究を行うという、非常に独創性の高いものである。
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