2010 Fiscal Year Annual Research Report
分離指向性の概念に基づくフルオラス誘導体化HPLC分析法の開発
Project/Area Number |
10J09770
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂口 洋平 福岡大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | fluorous derivatization / native fluorescent carboxylic acid / HPLC / NSAIDs / LC-MS/MS / sialic acid |
Research Abstract |
平成22年度は、(1)これまでに開発した自然蛍光性カルボン酸を対象とする「フルオラス誘導体化法」の適用範囲拡大及び(2)無蛍光性カルボン酸を対象とする他の検出器(LC-MS/MS)への応用を試みた。 (1)「フルオラス誘導体化法」を用いた医薬品(NSAIDs)の血中濃度モニタリング分析 これまでに開発した自然蛍光性カルボン酸を対象とする「フルオラス誘導体化法」の実試料分析への適用として、医薬品(NSAIDs)の血中濃度モニタリング分析を試みた。その結果、ヒトに対し様々な経路から投与された医薬品を、従来法より測定することができた。このことから、本法は薬物動態解析のツールとして有用であることを示すことができた。 (2)無蛍光性カルボン酸を対象とする他の検出器(LC-MS/MS)への応用 他の検出器への応用として、高極性かつ無蛍光性カルボン酸を対象とし、「フルオラス誘導体化法」の概念をLC-MS/MSへ導入する分析法の開発を行った。「フルオラス誘導体化法」をLC-MS/MSへ適用することで、(i)LCカラム(逆相)による保持・分離の改善。(ii)適度な疎水性の導入による気化効率の向上。(iii)高有機溶媒移動相条件下における保持による更なるイオン化効率の向上。(iv)超選択的に夾雑物質との分離が可能であり、LC-MS/MS分析でしばしば問題となる試料夾雑物質によるイオン化干渉(いわゆるマトリックス効果)を抑制。などを達成することができた。この開発により、試料中の夾雑成分との分離だけでなく高感度化という機能を兼ね備えることができ、「フルオラス誘導体化法」の付加価値化に成功した。
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