2011 Fiscal Year Annual Research Report
分離指向性の概念に基づくフルオラス誘導体化HPLC分析法の開発
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10J09770
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂口 洋平 福岡大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | fluorous derivatization / HPLC / LC-MS / native fluorescent amine / asymmetrical dimethylarginine / symmetrical dimethylarginine |
Research Abstract |
去年度は、(1)対象化合物拡大を目的とし自然蛍光性アミン化合物を対象とする「フルオラス誘導体化法」の適用及び(2)誘導体化を必要としないフルオラスイオンペアを用いたメチル化アルギニンの選択的分析の開発を試みた。 (1)フルオラス誘導体化法による尿中自然蛍光性アミン分析 本法の適用範囲拡大のため、フルオラス誘導体化の対象官能基として、アミノ基を選択し、尿中に含まれる自然蛍光性アミンの一斉分析法の構築を試みた。フルオラス誘導体化試薬として分子内にパーフルオロアルキル基を持つイソシアネートを用い、測定対象物が持つ一級及び二級アミンに対し、フルオラス誘導体化を行った。その結果、アミノ基に対しても容易に本法適用可能であり、尿中の夾雑成分に妨害されることなく分析を可能とした。 (2)イオンペア-フルオラス分離技術によるメチル化アルギニンのLC-MS/MS分析 移動相中にフルオラスの性質を持つイオン対試薬を添加し、測定対象物とイオン対を形成させることでフルオラスLCカラムへの選択的保持を可能とするLC-MS/MS分析法を考案した。フルオラス-イオンペア試薬として1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5-Undecafluorohexanoic acidを用い、分析対象物であるメチル化アルギニンのグアニジノ基とイオンペアと形成することで、分析対象物の選択的分離分析を試みた。本法を用いることで、誘導体化を行わずとも測定対象物をフルオラス分離することができ、簡便に試料中夾雑成分との分離を達成可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究進行状況はおおむね順調に進展していると考えています。当初設定した「研究の目的」として適用範囲拡大を予定していていたが、今年度は新たにアミノ基を追加したのみで、更に適用範囲拡大はできなかった。しかしながら、フルオラス-イオンペア分離という新たな展開を見出すことができたため、おおむね順調に進展していると考えています。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度となる本年度は、フルオラスの特性を更に生かした超分離指向性誘導体化法の開発に着手する。前年度まで、分析対象物に対し、フルオラス構造を一つ導入することにより、試料中に含まれる夾雑成分との分離を行ってきた。今後に関しては、分析対象に対し、複数個のフルオラス構造を導入することで、分析対象物同士に対しても更に差別化を行い、これまで開発してきたフルオラス誘導体化法以上の分離性能を持つ誘導体化法の開発を目指す。
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Research Products
(10 results)