2012 Fiscal Year Annual Research Report
ストリゴラクトンの生理機能とその調節メカニズムに関する研究
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10J09996
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
米山 香織 宇都宮大学, 雑草科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | ストリゴラクトン / 植物ホルモン / 根寄生雑草 / 地上部枝分かれ / 菌根菌 / リン酸欠乏 / 窒素欠乏 |
Research Abstract |
植物の根から分泌されるストリゴラクトン(SL)は、土壌根圏では根寄生雑草およびアーバスキュラー菌根菌の宿主認識シグナルとして、植物体内では地上部の枝分かれ抑制ホルモンとして作用する。 本年度は、以下の項目を中心に調べた。 「サイトカイニン(CK)とリン酸(Pi)がイネ地上部のSL生産に与える影響」 CKおよびPiは、イネ地下部のSL生産を顕著に阻害することを明らかにしている。今回は、地上部粗抽出物をHPLCで分取後に、根寄生雑草(Orobanche minor)種子に対する発芽刺激活性を調べることにより、CKおよびPiが地上部SL生産に与える影響を検討した。その結果、Piを根に処理すると、地上部粗抽出物の発芽刺激活性を顕著に低下させたが、一方、CK処理による活性低下は認められなかった。 「Arabidopsis地上部に存在するSLの同定」 モデル植物であるArabidopsisが生産するSLについては、根浸出液および導管液からSLが同定されているが地上部の存在については報告がない。そこで今回、粗抽出物をHPLCで分取後に根寄生雑草(O. minor)種子に対する発芽刺激活性を調べることにより、地上部に存在するSLの同定を試みた。分裂組織を含む葉および花序粗抽出物から、orobanchyl acetate, 5-deoxystrigol およびcarlactoneの保持時間に相当するフラクションに活性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
他大学との共同研究で得られた結果をまとめた論文を現在、2報投稿中で、minor revisionという結果を得ており、近日中にアクセプトされる見通しがついているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた結果をとりまとめ論文を投稿する。また、各種植物ホルモン欠損変異体を手に入れることができたため、生産するSLについて解析を行う。
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Research Products
(2 results)