2010 Fiscal Year Annual Research Report
がん抑制性細胞接着分子CADM1のγセクレターゼ切断による機能調節
Project/Area Number |
10J10138
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長柄 雄介 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / CADM1 / γセクレターゼ / ADAM10 / shedding / プロテオリシス |
Research Abstract |
PMA処理によりSaso-2細胞におけるCADM1の切断を刺激する実験を行った結果、PMAによるCADM1 sheddingの促進は、ADAM10をsiRNAにより抑制することで消失するが、ADAM17の抑制によっては消失しなかった。このことから、PMA依存性のCADM1のshedding促進は、刺激非存在下と同じくADAM10を介して実行されることがわかった。 質量分析によるγ切断配列決定などに役立てるためCADM1 shedding断片を発現させることでICDを産生させることができるかを検討した。ICDと近い分子量の断片は検出されたが、その産生がγセクレターゼ阻害剤により阻害されず、同一の断片ではないと考えられた。このことからICDの大量調製が困難と想定されたため、代わりにγセクレターゼが既知の数々の基質を切断する位置からCADM1のγセクレターゼ切断配列を推定し、これを末端とするICD断片をcDNAクローニングした。この断片についても、全長CADM1から切断されて産生されるICD同様検出が困難であったが、ウエスタンブロットと免疫染色により発現は確認でき、核を含む細胞全体に拡散して分布することがわかった。細胞内局在のさらに詳細な検討を行う予定であり、また、細胞死・細胞増殖の評価に用いる目的で、この断片を安定発現するクローン細胞株を作成した。 また、ICDの細胞内局在をより正確に知るため、オルガネラの生化学的分画法も同時に行い、細胞質と核を互いの混人を少なく簡便に分画する手順を確立した。この方法を用いても、ICDは核と細胞質に一定割合で分布することが確認された。
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Research Products
(2 results)