2011 Fiscal Year Annual Research Report
がん抑制性細胞接着分子CADM1のγセクレターゼ切断による機能調節
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10J10138
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長柄 雄介 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / CADM1 / γセクレターゼ / ADAM10 / shedding / プロテオリシス |
Research Abstract |
γ切断によって産生されるCADM1細胞内ドメイン(ICD)の細胞内局在を明らかにするため、生化学的分画法を用いた検討を行った。これにより、ICDの一部は核にも局在することを明らかにした。これは、ICDが転写調節に寄与するというストーリーと矛盾しない。これに加えて、クローニングしたICD断片をNIH3T3細胞に強制発現させて免疫染色も行ったが、こちらでは明確な局在が観察できなかった。 CADM1誘導性の細胞死がCADM1-ICDの産生を介して起こる可能性を考え、この仮説を検討するため、ICDまたは全長CADM1をCOS-7細胞に強制発現し、トリパンブルー法を用いて細胞死の変化を観察した。その結果、全長CADM1導入細胞では細胞死の増加が観察されたが、ICD導入細胞はベクター導入細胞に比べて細胞死は増加しなかった。ICDの産生は、CADM1の分解機構のひとつではあるが、細胞死の誘導を媒介するものではないと考えられた。 リソソームプロテアーゼ阻害剤であるE-64で細胞を処理し、全長CADM1および2種類の細胞質側shedding断片量を評価した。その結果、全長CADM1、α切断産物、β切断産物全てが蓄積した。この結果から、リソソーム酵素が全長CADM1と両shedding産物の分解を担っていることが明らかになった。 これまでの結果をまとめ、論文を執筆し、学術誌に投稿した。執筆全体に加え、投稿の処理のほぼ全てを自分で行い、論文投稿の全ての流れを把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CADM1のプロテオリシス4)機構を解明し、分解で生じた断片の機能を探索することを主な目的として研究を行い、これまでに、CADM1のADAM10による切断とγセクレターゼによる切断を見出し、さらにリソソーム酵素による分解も見出した。また、γセクレターゼ切断で生じた断片について、細胞死への寄与の検討と局在解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
γセクレターゼ切断産物(ICD)が微量であるため、ウエスタンブロッティングは可能であるものの困難であり、免疫細胞化学による局在解析も困難である。これは小さなタンパク質の迅速な分解に起因する可能性が考えられるため、プロテアーゼ阻害剤を用いるなどして検出を簡便にする必要があると思われる。また、ICDの機能評価については、これまでに細胞死への寄与を評価したが、用いる細胞株の変更や、神経細胞、マスト細胞の機能についての評価も可能であるため、今後追究する価値があると考える。
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Research Products
(2 results)