2010 Fiscal Year Annual Research Report
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10J10167
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| Research Institution | Ritsumeikan University |
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Principal Investigator |
吉田 一史美 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)
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| Keywords | 人工妊娠中絶 / 養子縁組 / 菊田昇 / 優生保護法 / 特別養子法 |
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| Research Abstract |
本研究は、人工妊娠中絶(以下、中絶)の早期合法化などの日本の生殖をめぐる特異な歴史的状況のなかで、生殖に関わる技術が養子制度をはじめとする親子をめぐる社会制度にどのような影響をもたらしてきたのかを明らかにするものである。生殖技術と社会制度をめぐる具体的な諸問題にアプローチするため、日本の中絶問題と養子制度の重要な転換点となりえた1973年の菊田医師事件について綿密な考察を試み、それを日本の生殖・福祉をめぐる近代史のなかに位置づけることが目標である。本年度の研究実績の概要は、内容から以下の2点に分けられる。
1.菊田医師事件が置かれた1970～80年代の社会状況として当時の優生保護改正問題に注目し、菊田の実子特例法立法化運動にどのような影響を及ぼしたのかを分析した。これに考察を加えて、日本医学哲学倫理学会で報告した。
2.養子制度をめぐる今日の課題である施設養護偏重型の児童福祉政策を批判する準備として、乳児院の現状とその成り立ちについて調査を開始した。明治・大正期の養子制度および里親制度の変遷における乳児栄養の多様化や妊産婦・乳幼児保護政策の影響を検討し、これを所属研究科の公募研究会「生命倫理研究会」で発表した。
このほかに、所属研究科の公募研究会「出生をめぐる倫理研究会」を主宰し、「生殖」をテーマに歴史研究者の沢山美果子氏と荻野美穂氏を招いた公開研究会を企画するなど、他の研究者との議論の場においても考察を広げた。
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