2010 Fiscal Year Annual Research Report
SLC26ファミリーにおけるトランスポーターとチャネルの差異決定機構の解明
Project/Area Number |
10J10203
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤田 恭輔 富山大学, 医学薬学研究部(薬学), 特別研究員(DC1)
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Keywords | SLCトランスポーター / イオンチャネル / 塩素イオン / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
平成22年度はSLC26ファミリーの中でチャネルとして機能するSLC26A7とA9に着目し、細胞における発現メカニズムの差異の検討、およびそれぞれのチャネル電流測定系の確立を行った。SLC26A9をクローニングし、極性細胞に強制発現したところアピカル膜に発現していた。SLC26A7をクローニングし、HEK293細胞、LLC-PK1細胞において一過性発現を試みたが、プロテアソームによる分解によりタンパク質レベルでの発現が見られず、Cos-7細胞においてはタンパク質レベルで強制発現することができたが、原形質膜に分布しなかった。これらの結果より、チャネルとして機能するSLC26A7とA9は異なる発現メカニズムを持つことが明らかとなった。SLC26A9のチャネル機能を検討するため、SLC26A9を発現させたCos-7細胞においてパッチクランプホールセル記録法を行ったところ、膜電位および時間に非依存的なCl^-電流が観測された。また、この電流はフルフェナミン酸感受性であり、NPPB非感受性であった。胃酸分泌細胞の基底側膜にSLC26A7が発現していることが報告されている。SLC26A7 Cl^-チャネルの性質を検討するため、マウス単離胃腺の胃酸分泌細胞基底側膜にパッチクランプ法を適用した。その結果、膜電位と時間に依存しないNPPB感受性のCl^-チャネル電流が観測された。また、このCl^-チャネルはcGMP依存性Cl^-チャネルであり、マウス胃酸分泌細胞の静止膜電位の形成に部分的に関与していることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)