2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J10343
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 康孝 山口大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 二光子吸収 / 低次元無機-有機ハイブリッド / 粘土 / 色素 / 非線形光学 |
Research Abstract |
二光子多層光記録は、次世代大容量データストレージの最有力候補とされている。この実用化のボトルネックとなっている、二光子吸収材料の開発を日指した研究を行った。無機層状高分子の一種である粘土をホスト材料に用い、有機化合物とのハイブリッド化を行うと、有機物の二光子吸収効率が向上することが知られていた。そのため、無機-有機ハイブリッド材料は、二光子吸収効率の高い材料を創製する系として大きな期待が持てる。しかし、なぜ、粘土とのハイブリッド中で有機物の二光子吸収効率が向上するのか明らかにはなっておらず、粘土-有機物ハイブリッドを高効率二光子吸収材料として積極的にデザインすることが出来なかった。そこで、様々な有機化合物を用い無機-有機ハイブリッドの組み合わせを探索することで、無機層状化合物の層間に取り込まれた有機化合物の二光子吸収断面積を増加させる要因の解明を行った。その結果、無機化合物とのハイブリッド中で、有機物の二光子吸収断面積に影響を与えるパラメータは、有機物が存在する環境の極性の変化、有機物の分子変形、ホスト材による有機物の配向の制御であることが明らかになった。この知見を用いて、粘土に合成サポナイト、有機物としてはポルフィリン誘導体を選ぶことで、DVDの記録に用いられているレーザーの波長である660nmにおいて10000GMを超える二光子吸収断面積を持つ二光子吸収材料を創製することができた。
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Research Products
(13 results)