2010 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジーによるγセクレターゼモジュレーターGSM-1の作用機序の解明
Project/Area Number |
10J10622
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大木 優 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | γセクレターゼ / アルツハイマー病 / アミロイド・ペプチド / γセクレターゼモジュレーター / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
平成22年度の大きな目的であるγセクレターゼモジュレーターGSM-1の標的分子を同定すべく、光親和性標識プローブGSM-1-BpBを作出し、GSM-1の標的分子がγセクレターゼ活性中心サブユニットであるプレセニリン1(PS1)であることを見出した。また競合実験の結果から、GSM-1の結合部位は活性中心部位や基質結合部位とは異なることを明らかにした。詳細な結合部位を同定すべく、我々はケミカルバイオロジー的手法と生化学的手法を組み合わせた部位特異的切断実験を考案し、GSM-1の結合部位がプレセニリン1の膜貫通領域の第一番目に存在することを明らかにした。さらに当研究室では、システインケミストリーを用いたSubstituted Cysteine Accessibility Method(SCAM)により、プレセニリンには親水性領域が存在し、膜貫通領域の第一番目も親水性領域を形成することを明らかにしてきた(Takagi et al.JNS 2010)。我々はGSM-1処理により、この膜貫通領域の第一番目の構造が特異的に構造変化を起こすことを見出した。 該当年度は、GSM-1の結合部位のみならず作用機構に関しての知見も得られ、アルツハイマー病の治療薬・予防薬作出に貢献する成果が得られたと考えられる。本成果は国内の学会のみならず、米国神経科学会、アルツハイマー病の国際会議においても発表し、高い評価を得た。
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Research Products
(4 results)