2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J10626
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠倉 潔 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ATP / aminoluciferin誘導体 / luciferin / luciferase / イメージング / 発光強度 / 波長変化 / 生物発光 |
Research Abstract |
細胞外に存在するATPは、細胞間における情報伝達物質として重要な役割を担っている。一般的に知られているATPを検出する手法としては、fireflyのluciferin-luciferase反応を利用したものが挙げられる。しかしながら、顕微鏡下で細胞から分泌される微量のATPを可視化するためには、依然として検出感度の面で向上させる必要があり、その研究アプローチとしては、「luciferinの設計・開発」、「luciferaseを細胞膜上に集合させる技術の確立」、「光学系の改良」などがある。申請者は本研究において、1細胞からのATP分泌を可視化することを目的とし、aminoluciferin(AL)誘導体とluciferaseとの組み合わせの最適化という研究アプローチから新たなATP分泌可視化系の構築を試みた。その結果、HEAL(2-hydroxyethylAL)とLuc2(derived from Photinus pyraris)という新たなluciferin及びluciferaseの組み合せを見い出した。また、分泌時のATP濃度は数十から200μM程度と報告されており、その濃度範囲において、HEALはD-luciferinと同等もしくはそれ以上の発光強度を有することが示された。そして、PC12細胞からのATP分泌を顕微鏡下において捉えることに成功した。さらに、申請者は生物発光の発光強度だけではなく、発光波長変化について着目した論文(Takakura et.al Chemistry-An Asian Journal)にも寄与するなど大きな成果を発表した。
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Research Products
(4 results)