2012 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマセクレターゼ阻害剤および作用機構探索に用いる分子の開発
Project/Area Number |
10J10645
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今村 優希 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フォルダマー / βペプチド / γセクレターゼ / アルツハイマー |
Research Abstract |
筆者は、これまでに安定なヘリックスをとる(S,S)-2-Aminocyclopentanecarboxylic acid(ACPC)からなる12merのフォルダマー(S-12)が強いγセクレターゼ阻害活性を示すことを明らかにしている。さらに活性の高いフォルダマーの開発およびγセクレターゼが基質をどのように認識しているかを明らかにする目的で研究を進めている。 これまでにN末から3,6,9番目を置換したフォルダマーを合成し、3番目を置換したフォルダマーが強い活性を示したことから1,2,4,5番目のアミノ酸残基を置換したフォルダマーを合成することとした。 置換したアミノ酸は、3番目を置換した際に活性の高かったセリン、アスパラギンと同様の側鎖を有するβアミノ酸を用いた。Fmoc固相合成により目的のβペプチドを合成し、HPLCを用いて精製を行った。目的物ができているかはMALDI-MSを用いて分子量を測定しそれぞれ目的物ができていることが確認された。 阻害活性を測定したところ、3番目を置換したβペプチドが最も阻害活性が強く、γセクレターゼは側鎖の官能基の位置を厳密に認識していることが明らかとなった。さらに、細胞系で阻害活性を測定したところ、3番目のアミノ酸残基をセリンに置換したβペプチドは阻害活性が向上するとともに基質選択性も向上していることが明らかとなった。 また、S-12の光親和性ブローブS-12-Bpaを用いて光親和性競合実験を行った。光親和性競合実験とは、作用部位が明らかとなっている既知の阻害剤と光親和性プローブの作用部位が競合するかを確認することで、光親和性プローブの作用部位を明らかにする手法である。フォルダマーは、基質結合部位に作用する阻害剤およびアロステリック部位に作用することが明らかとなった。このアロステリック部位への親和性の差が、フォルダマー間での基質選択性の差であると考えられる。
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[Journal Article] Effect of Helical Conformation and Side-Chain Structure on y-Secretase Inhibition by β-Peptide Foldamers : Insight into Substrate Recognition2013
Author(s)
Yuki Imamura, Naoki Umezawa, Satoko Osawa, Naoaki Shimada, Takuya Higo, Satoshi Yokoshima, Tohru Fukuyama, Takeshi Iwatsubo, Nobuki Kato, Taisuke Tomita, Tsunehiko Higuchi
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Journal Title
J. Med. Chem.
Volume: 56
Pages: 1443-1454
DOI
Peer Reviewed
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