2011 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙由来超高エネルギーニュートリノのIceCube南極実験による検出
Project/Area Number |
10J40081
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石原 安野 千葉大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員RPD
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Keywords | 最高エネルギー宇宙線 / 南極 / ニュートリノ / 宇宙物理 / GZK機構 |
Research Abstract |
2008-2009年に南極で取得されたデータを用いた超高エネルギー宇宙ニュートリノ探索結果を論文として出版し、IceCube検出器を建設が半分まで終わった時点ですでに世界最高感度での超高エネルギー宇宙ニュートリノ検出器として確立することが出来た。この結果をうけ検出器完成時の詳細なシミュレーション計算を行い、さらなる精度向上に向けた研究をおこなった。2011年秋からは2011年頭に完成したIceCubeからの2011年度データを用いてその結果を検証している。2012年には2009-2012までの3年分データを用いた超高エネルギー宇宙ニュートリノ探索解析結果を発表を予定である。 2010年9月からは、200人以上からなるIceCube実験共同研究者の中から、超高エネルギーニュートリノ物理解析グループの議長に選出され、引き続きグループとしてのロードマップを示すと共に、共同研究者間の研究うをコーディネートする役割を担っている。 2011年11月から始まる、IceCube実験の将来の拡張として、電波領域に延びていることが知られているチェレンコフ放射を捕らえるARA実験のPhase1建設がはじまった。ARA実験Phase2の建設に向け、準備研究として、無線データ転送システムのプロトタイプ研究を行っている。プロトタイプを南極に設置し、その影響を調べた。南極には他に電波望遠鏡があるため、他実験に与える影響を最小限にしたうえ、最も信頼度の高い構成を構築した。他実験への干渉問題は、指向性の高い高利得アンテナを用い、受信感度を上げることで解決できることを現地で確かめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IceCube実験による初のGZKニュートリノ検出に向けた研究は予想以上に進展しており、今年度早い時期にに3年分のデータを用いた解析結果を発表予定である。次世代検出器ARA実験のワイアレスデータ転送システム試験も順調に行われている。その他部分のR and D及びキャリブレーションは3月末に始まった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題において当初計画していたIceCube実験解析とARA実験のためのR&Dは順調に進んでおり、このまま課題進めていく。本年度は新たに、ARA実験の2012-13年度南極に埋設するアンテナ検出器の制作及びキャリブレーションを行う。この結果をシミュレーションプログラムに組み込み、解析における系統誤差の減少を目指す。
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Research Products
(6 results)