2010 Fiscal Year Annual Research Report
LAT1/CD98を介する細胞成長シグナルの分子機構の解明
Project/Area Number |
10J40082
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西中 由美子 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | アミノ酸トランスポーター / 癌細胞 / タンパク質間相互作用 / シグナル / 細胞成長 / mTOR |
Research Abstract |
LAT1 (L-type amino acid transporter 1)は、大型中性アミノ酸をNa+非依存的に輸送する癌細胞特異的アミノ酸トランスポーターである。II型膜タンパク質に分類される1回膜貫通型糖タンパク質である補助サブユニット(CD98hc/4F2hc)とジスルフィド結合を介して複合体を形成することで細胞膜に局在化し、輸送機能を発現する。補助サブユニットであるCD98hc/4F2hcは、多機能性タンパク質であることが示唆されている。そこで発生初期や腫瘍細胞に高発現するアミノ酸トランスポーターの補助サブユニットとして位置づけられているCD98hc/4F2hcが、補助サブユニットとしてだけ存在しているのではなく、mTOR (Mammalian Target of Rapamycin)を介するシグナルの上流に位置し、細胞外から細胞膜を経由した細胞内への情報伝達によって細胞の成長・増殖を制御していることを明らかにし、アミノ酸トランスポーターLAT1/CD98hc複合体の細胞成長における役割、特に重鎖であるCD98hc/4F2hcが制御する細胞成長シグナル機構を解明することを目的に研究を行った。まず、複数の培養細胞を界面活性剤で可溶化し、抗CD98hc/4F2hc抗体で免疫沈降した。得られた共沈降試料をショットガン法により、質量分析計で解析し、CD98hc/4F2hcと共沈降したタンパク質同定を行うため、種々の免疫沈降条件を検討した。また、すでにCD98hc/4F2hcとの結合を証明したタンパク質の細胞における局在やCD98hc/4F2hcとの結合様式を顕微鏡観察やウエスタンブロッティングで解析した。さらにモノクローナル抗体によるCD98hc/4F2hc活性化のために予備実験をおこなった。
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