2010 Fiscal Year Annual Research Report
オンチップスクリーニングと1細胞時系列イメージングよる細胞運動因子のキノーム解析
Project/Area Number |
10J40105
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長崎 玲子 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 細胞運動 / トランスフェクションマイクロアレイ / 時系列解析 / 癌細胞 |
Research Abstract |
細胞運動は、器官形成や免疫担当細胞の遊走・損傷治癒などにおいて重要な役割を担うだけでなく、悪性化した癌細胞の浸潤にもその関与が示唆されている。しかしながら、細胞運動の制御過程は非常に複雑であるため未だ完全な理解には至っていない。そこで本研究では、独自の技術である細胞運動評価チップを用いて全キナーゼから細胞運動関連遺伝子のスクリーニングを行い、蛍光プローブにより当該遺伝子が細胞運動のどの過程に影響をもたらすのかを明らかにし、それら情報のカタログ化を行うことを目的とした。 本年度は、1.ラットキナーゼsiRNAライブラリーをプリントした細胞運動評価チップ(148枚)による全時系列画像の取得を完了した。さらに、2.Cell Voyager解析ソフトを用いて1の時系列画像の数値化及び、その数値化データを用いて平均細胞運動速度を指標としたキノーム解析を行った。その結果、49遺伝子において対照と比較して有意に当該遺伝子に対するsiRNAが導入された際、細胞運動が抑制されることを見出した。また、3.通常のトランスフェクション方法による予備的な2ndスクリーニングを行ったところ、26遺伝子において2と同様の抑制効果が確認され、うち22遺伝子においてsiRNAの導入による発現抑制効果が確認できた。現在、上記2ndスクリーニング結果のさらなる検証作業及び当該遺伝子のクローニングに着手している。また、新規画像評価手法に関してはガラス基板を均一に蛍光ビーズでコートする手法について検討中である。今年度の結果を踏まえ、次年度以降は計画通り各種プロープを用いて絞り込まれた遺伝子の機能解析を展開する予定である。
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