2010 Fiscal Year Annual Research Report
一夫一妻制鳥類におけるつがいの絆と聴覚記憶: 性差の検討
Project/Area Number |
10J40174
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
藤原 宏子 日本女子大学, 理学部, 特別研究員(RPD)
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Keywords | つがいの絆 / 聴覚記憶 / 性差 / 国際情報交換 / オランダ / 鳥の脳 |
Research Abstract |
1、行動実験データの解析と公表 本研究では、セキセイインコの雌雄を5週間つがわせた後に、雄と雌の行動(目的1)と脳(目的2)を調べ、性差を検討することを目的としている。一般に鳥類のコミュニケーションでは、発信者や受信者は周囲に他個体(audience)がいるかどうかで、行動を変える(audience effect)。これまでに、研究代表者は、audience不在下での雌の行動を調べており、つがい解消直後、1ヶ月の隔離飼育後ともに、雌は配偶者コールへ選好性を示すことを確認している。これに対し、audience存在下で、雌雄各個体の行動を調べた。Audience存在下で、つがい解消直後では、雄は配偶者のコールへ選好性を示したが、雌は示さなかった。それに対し、つがい解消から5週間後では、雌は配偶者のコールへの選好性を示したが、雄は示さなかった。audience存在下では、つがいの絆に関わる発声行動(配偶者のコールへの鳴き返し)に性差がある、という新しい知見を得た。本研究では、配偶者コールの記憶に性差があるかを検討することが大きな目的である。Audience存在下、不在下の結果をあわせると、聴覚記憶の獲得には性差がないことが示唆された。この結果を、日本動物学会大会、北米神経科学会で発表した。 2、非侵襲的方法による脳活動の解析(準備) 共同研究者のオランダ・Bolhuis教授と連絡をとり、準備をすすめた。今後、研究代表者が海外の研究室に短期滞在し、実験を行うことを計画している。米国の2つの研究室を候補として絞り込んだ。
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Research Products
(4 results)