2010 Fiscal Year Annual Research Report
ω-ヒドロキシアリルアルコール類の直接的脱水型不斉環化反応
Project/Area Number |
10J55262
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関 知昭 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ルテニウム / 環状エーテル / 光学活性配位子 / アリル化 / 有用物質合成 / 触媒 |
Research Abstract |
これまでに当研究グループでは、微量のカチオン性CpRu-2-キノリンカルボン酸混合触媒を用いて、ω-ヒドロキシアリルアルコールを高収率で対応する環状アリルエーテルに変換できることを見出した。この新反応の合成的有用性をさらに高めるべく、以下の項目に焦点をおいて、研究を進めた。i)2-ピリジンカルボン酸を基本とする様々なアキラル配位子を用いた配位子構造・活性相関の結果をもとに、光学活性配位子を設計し、配位子ライブラリを構築した。特にピリジン6位にアリール基を導入した軸性キラリティーをもつ配位子に着目した。まず、アリール基として2-クロロナフタレン-1-イル基を取り上げて、系統的な配位子合成を指向した合成経路を確立し、大量供給可能な合成経路を確立できた。その方法論を基盤に各種誘導体も合成することができた。ii)配位子ライブラリを基盤に、標準反応条件のもと、配位子構造-活性・選択性相関を確認した。置換基効果から触媒機能向上のための指針が得られた。反応活性の高い触媒系をとりあげて、基質濃度、反応溶媒、温度、基質触媒比など反応条件を最適化した。次に基質一般性を調査した。最適条件において、アリル基の置換様式について検証した。具体的には、β位、γ位への各種置換基を導入した。求核部ヒドロキシ基について、立体要請度および求核性が反応に与える影響を確認した。標準の一級アルコールおよび三級アルコール、高酸性度、低求核性のフェノール性基質を取り上げた。これらをパラメータとし系統的に基質一般性を調査した結果、β位、γ位に置換基を導入できるほか、求核部に一級、二級、三級アルコール、フェノールのいずれももちいることができ、従来にない高い基質一般性を示すことがわかった。
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Research Products
(7 results)