2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J56362
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 亮太 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 神経前駆細胞の遊走 / アクチン核化・重合因子 / 低分子量Gタンパク質Rho |
Research Abstract |
神経発生における神経前駆細胞の遊走や軸索ガイダンスには、ガイダンス分子の濃度勾配に従った時空間特異的な細胞骨格制御が不可欠であるが、その分子機序は不明である。我々はこれまでにRho標的蛋白質であり、アクチン核化・重合因子であるmDia/mDia3の二重欠損マウス(mDia-DKO)の個体表現型から、mDiaは神経前駆細胞の遊走や軸索ガンダンスに重要であることを見出している。平成22年度は、mDiaの神経前駆細胞の遊走における役割を検討した。細胞内メカニズムを明らかにするために、EGFPおよび中心体マーカー蛋白質を子宮内エレクトロポレーション法により神経前駆細胞に導入し、蛍光ライブイメージングにより遊走神経前駆細胞の動態を可視化したところ、mDia-DKO神経前駆細胞では、野生型神経前駆細胞と比較して、中心体と細胞体の両方の移動速度の減少が認められた。また、アクチン線維に特異的に結合するプローブ(Lifeact-EGFP)を用いて、遊走神経前駆細胞のアクチン線維の動態を可視化したところ、mDia依存的な2つのアクチン線維動態、すなわち、中心体移動に付随するアクチン線維の移動と細胞体移動時の細胞体後部でのアクチン線維の集積が観察された。さらに、Rhoの他の標的分子であり、myosin IIの活性化を担うROCKを薬理学的に阻害したところ、細胞体の移動速度の減少が認められた。これらのことから、遊走神経前駆細胞においてRho-mDia経路によるアクチン線維の動態は、中心体の移動を制御し、細胞体の後部ではROCKと協調することで細胞体の移動を促進することが明らかとなった。
|
Research Products
(2 results)