2010 Fiscal Year Annual Research Report
小さな標数の有限体上の離散対数問題の困難性に関する考察
Project/Area Number |
10J56502
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 卓也 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 公開鍵暗号 / 離散対数問題 / ペアリング暗号 / 関数体篩法 |
Research Abstract |
ペアリング暗号はIDベース暗号などの利便性の高い暗号プロトコルが実現可能であることから,新たな公開鍵暗号方式として近年注目を集めている,ペアリング暗号の安全性に関連する計算問題の一つとしてGF(3^6n)上の離散対数問題があり,ベアリング暗号の安全性解析や安全なパラメータ選択を行う上で,この問題の困難性解析が必要となる.本研究では,GF(3^6n)上の離散対数問題を解く漸近的に最高速なアルゴリズムである関数体節法を実装し,計算実験による困難性解析を行う.関数体篩法は多項式選択,関係探索,線形代数,特定元の離散対数計算の4ステップからなり,特に計算量が多いステップが関係探索と線形代数の2ステップである.実装に際し,free relationやGalois actionといった計算高速化に寄与する数学的構造を利用することで,関係探索は8倍,線形代数は36倍の高速化に成功した.96CPUコアを有するサーバ群を利用した計算実験を行い,GF(3^6・71)(676ビット)上の離散対数問題の計算に成功した.この研究成果について,国際暗号学会IACR主催の公開鍵暗号に関する国際会議であるPKC2010に採録され,2010年5月に口頭発表を行った.
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Research Products
(2 results)