1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11102001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
猪口 孝 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (30053698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲島 郁夫 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80134196)
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Keywords | 民主主義 / 機能不全 / 価値 / 規範 / ライフスタイル / アジア / ヨーロッパ / 18か国 |
Research Abstract |
本研究はグローバリゼーションの深化を背景に、ひとびとの価値観、規範意識、ライフスタイルをアジアとヨーロッパの18カ国・地域で調査をし、ひとびとのアイデンティティー、社会政治制度に対するひとびとの信頼感、そしてひとびとの抱く不満・不安を調査するものである。ひとびとのアイデンティティーはどこまで多様化しているのだろうか。どこまで空洞化ないし先鋭化しているのだろうか。ひとびとは主権国家の枠内のさまざまな社会政治制度に根本的な不信を示し始めたのだろうか。世界各地とのつながりが強くなるなかで主権国家の枠組みのなかの民主主義は機能不全になりつつあるのだろうか。グローバリゼーションの進展とともに国内社会経済変動が着実に進展し、ひとびとは不安と不満を全般的に抱いているのだろうか。ひとびとはグローバリゼーションの果実を確実に享受しているのだろうか。 これらの問いを18カ国・地域で調査する。アジアでは日本、韓国、台湾、中国、フィリピン、タイ、マレイシア、インドネシア、シンガポール、であり、ヨーロッパではドイツ、フランス、イギリス、スウェーデン、アイルランド、イタリア、ポルトガル、ギリシャ、スペインである。世界でも一人当たり所得水準が相対的に高く、民主主義の展開でも著しい両地域をとりあげることによって、さまざまな民主主義の展開を示している社会がどの程度グローバリゼーションの進展と関連しているかを調べる。同時に民主主義が歴史的に形成されてきた政治文化をどの程度まで影響を受けているかを調べる。1999年度から開始し、第一年度においては研究枠組みの設定と質問表の作成に焦点を当てた。2000年度には世論調査を18カ国で実施する。すぐにデータ・クリーニングの後、分析に入る。
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[Publications] Takashi Inoguchi: "Japan's medieval legacy"Asian Affairs no.9. Autumn. 19-28 (1999)
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[Publications] Takashi Inoguchi: "Peering Into the Future by Looking Back: The West Phalian, Philadelphian, and Anti-Utopian Paradigms"International Studies Review. Vol.1 Issue 2. 173-191 (1999)
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[Publications] Takashi Inoguchi: "Writing Identity and Adapting to Integration: Nationalism and Globalization in Japan"paper prepared for ISEAS Conference, Singapore. 1-18 (1999)
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[Publications] Takashi Inoguchi: "The Future of Japanese Democracy: Politics, Economics and Culture"papre prepared for the Seminar on Aug. 12, Singapore. 1-6 (1999)
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[Publications] 猪口孝: "現代民主主義の変容(政治学のフロンティア)"猪口孝+エドワード・ニューマン+ジョン・キーニ編(有斐閣). 219 (1999)
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[Publications] Takashi Inoguchi: "International Security Management and the United Nations"Edited by Muthio Alagappa + Takashi Inoguchi, UNUP(国連大学出版局). 489 (1999)
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[Publications] 猪口孝監修: "ペリー提督日本遠征記"NTT出版. 286 (1999)