2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11102002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 正幸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40114706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 加代子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80345264)
辛島 健 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30323497)
渡辺 嘉典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20212326)
山下 朗 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (30312276)
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Keywords | 減数分裂 / 分裂酵母 / 線虫 / 第一分裂 / mRNA / 安定性 / TORキナーゼ / 核形態 |
Research Abstract |
1.分裂酵母を対象とする研究で次のことを明らかにした。減数第一分裂に不可欠をmeiRNAを欠く細胞に、過剰発現すると減数分裂を可能にさせる遺伝子を検索し、減数分裂特異的に発現される遺伝子のmei4、spo5、ssm4などを単離した。さらに、これらは産物のタンパク質がmeiRNAの欠損を抑圧するのではなく、それぞれのmRNAの一部分に抑圧能が存在することを示した。興味深いことに、これらのmRNAは、栄養増殖している細胞中では人為的に発現させても不安定で蓄積せず、その不安定性を与えている領域はmeiRNAの欠損を抑圧できる領域に重なり合った。減数分裂期の細胞ではこれらのmRNAは安定に存在する。すなわち、これらのmRNAには栄養増殖時にそれらを積極的に不安定化する領域が組み込まれており、細胞が減数分裂に入ると安定化のメカニズムが作動すると推定された。いっぽう、分裂酵母の有性生殖開始に必要なTORキナーゼをコードするtor1の新規変異株を取得し、その多コピー抑圧遺伝子gdd8を単離した。Gad8pはAGCファミリーのキナーゼであり、生化学および遺伝学的解析から、Tor1pがGad8pを介して有性生殖やストレス応答を制御していることを明らかにした。2.線虫を対象とする研究では次の成果を得た。動物無精子症の原因遺伝子DAZの産物の線虫ホモログDAZ-1は卵形成時の減数分裂の進行に必須であり、DAZ-1が欠損すると減数第一分裂太糸期の核が蓄積する。核形態を詳しく観察した結果、欠損株では生殖腺内で体細胞分裂期にある生殖細胞ですでに核の異常が認められ、減数分裂の準行に伴う核小体の増大や生殖腺中央の細胞質コアの形成が認められず、タンパク質合成能の低下が推測された。さらにDAZ-1は雌雄同体の生殖腺が雄性から雌性に切り替わる過程にも機能していることを示すデータを得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Matsuo, T.: "Schizosaccharomyces pombe AGC family kinase Gad8p forms a conserved signaling module with TOR and PDK1-like kinases."EMBO Journal. 22. 3073-3083 (2003)
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[Publications] Kitajima, T.: "Rec8 cleavage by separase is required for meiotic nuclear divisions in fission yeast."EMBO Journal. 22. 5643-5653 (2003)
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[Publications] Hirota, K.: "Gef1p and Scd1p, the two GDP-GTP exchange factors for Cdc42p, form a ring structure that shrinks during cytokinesis in Schizosaccharomyces pombe."Molecular Biology of the Cell. 14. 3617-3627 (2003)
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[Publications] Kitajima, T.: "Distinct cohesin complexes organize meiotic chromosome domains."Science. 300. 1152-1155 (2003)
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[Publications] Sawa, M.: "Essential role of the C. elegans Arp2/3 complex in cell migration during ventral enclosure."Journal of Cell Science. 116. 1505-1518 (2003)
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[Publications] Kitajima, T.: "The conserved kinetochore protein shugoshin protects centromeric cohesion during meiosis."Nature. 427. 510-517 (2004)