1999 Fiscal Year Annual Research Report
高速酸素イオン移動を実現する新規酸化物の開発と新しい電気化学デバイス
Project/Area Number |
11102006
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
滝田 祐作 大分大学, 工学部, 教授 (30038054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 高教 大分大学, 工学部, 助教授 (40243969)
石原 達巳 大分大学, 工学部, 助教授 (80184555)
武内 隆 大分大学, 工学部, 教授 (70295161)
西口 宏泰 大分大学, 工学部, 助手 (10274739)
伊藤 正実 大分大学, 工学部, 助教授 (60274742)
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Keywords | 酸素イオン伝導体 / 燃料電池 / ペロブスカイト / 炭化水素センサー / 移動度 / 結晶ポテンシャル |
Research Abstract |
本研究では新規な酸素イオン伝導体の開発とその応用を目的にしている。本年度は新規酸素イオン伝導体としてLaをベースとする類縁化合物を検討し、新たに、La_2GeO_5系酸化物が優れた酸素イオン伝導性を有することを見いだした。この材料は、従来の酸素イオン伝導体とは異なり、単斜晶系という対称性の低い結晶構造を有しながら、CeO_2系酸化物に匹敵する大きな酸素イオン伝導性を純酸素中からCO中までの広い酸素分圧下で有する興味ある材料である。次に、X線回折を用いて、LaGaO_3系酸化物の結晶構造の詳細な検討を行った。その結果、温度の上昇とともに結晶構造は菱面体から立方晶へと変化し、この結果、伝導度のアレニウスプロットが折れ曲がることがわかった。そこで、AサイトへLaカチオンより大きいカチオンを導入することで、立方晶を安定化できれば、酸素イオン伝導性がさらに向上できると期待された。表面での反応性をおよびバルクへの酸素の拡散性を^<18>Oを用いたトレーサー法で検討した。その結果、LaGaO_3系酸化物は表面での酸素解離に対する反応性は低いもの、大きな酸素の拡散性を有していることがわかった。一方、従来の研究で開発したCo添加LaGaO_3系酸化物を用いる低温作動型燃料電池について検討を行い、600℃でも厚さ0.5mmの電解質を用いても240mW/cm^2以上の大きな出力を有するセルになることを明らかにした。詳細な内部抵抗の解析から、本セルの電圧降下は主に、電解質抵抗に起因することがわかった。一方、電極酸化触媒性能を利用した炭化水素センサへの応用を検討し、LaGaO_3系酸化物を用いると、500℃でもきな起電力を示すので、新規な炭化水素センサが開発できることを見いだした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T. Ishihara, T. Yamada, T. Akbay, and Y. Takita.: "Partial oxidation of methane over fuel cell type reactor for simultaneouus generation of syhthesis gas and electric power."Chemical Engineering Science. 54. 1535-1540 (1999)
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[Publications] T. Ishihara, 外8人: "Improved Oxide Ion Conductivity in La_<0.8>Sr_<0.2>Ga_<0.8>Mg_<0.2>O_3 by doping Co"Chemistry of Materials,. 11. 2081-2088 (1999)
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[Publications] T. Ishihara, T. Shibayama, M. Honda, H. Nishiguchi, and Y. Takita: "Solid oxide fuel cell using Co doped La(Sr)Ga(Mg)O_3 perovskity oxide with notably high power density at intermediate temperature"Chemical Communication.,. 1999. 1227-1228 (1999)
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[Publications] Tatsumi Ishihara, Haruyoshi Furutani, Hiroshi Arikawa, Miho Honda, Taner Akbay, and Yusaku Takita,: "Oxide Ion Conductiviuty in Doubly Doped PrGaO_3 Perovskite-Type Oxide"J. Electrochem. Soc.. 146. 1643-1649 (1999)
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[Publications] Takanori Iniue, Masao Moriguchi, and Teiichiro Ogawa,: "Molecular Orientation of Oxacyanine Dye in a LB File Determined by Second Harmonic Generation and Polarized Absorption Techniques"The Solid Thin Film. 350. 238-244 (1999)
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[Publications] M. Ito, K. Sakai, T. Tubomura and Y. Takita: "Transesterfication by(hyroxo)nickel(II) Complex Under the presence of External Alcohol."Bull. Chem. Soc. Jpn.. 72. 239-242 (1999)
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[Publications] 石原達巳、滝田祐作: "インターマテリアル、"新規な構造を有する高酸化物イオン伝導体. 9 (1999)
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[Publications] T. Ishihara, M. Honda, Y. Takita,: "Recent Res. Devel. Electrochem. 2"Fast oxide ion conductor of doubly doped LnGaO_3(Ln=La, Pr, Nd)perovskite type oxide. 15 (1999)