2001 Fiscal Year Annual Research Report
高速酸素イオン移動を実現する新規酸化物の開発と新しい電気化学デバイス
Project/Area Number |
11102006
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
滝田 祐作 大分大学, 工学部, 教授 (30038054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正実 大分大学, 地域共同研究センター, 助教授 (60274742)
井上 高教 大分大学, 工学部, 助教授 (40243969)
石原 達己 大分大学, 工学部, 助教授 (80184555)
西口 宏泰 大分大学, 工学部, 助手 (10274739)
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Keywords | 酸素イオン伝導体 / ペロブスカイト / 燃料電池 / 酸素透過膜 / 電極触媒 / 同位体拡散 / 部分酸化 |
Research Abstract |
本研究では高速酸素イオン移動を実現する酸化物の開発を目的に種々の酸化物の酸素イオン伝導性を検討した。その結果、La_2GeO_5系酸化物が優れた酸素イオン伝導性を有することを見出し、この系への添加物効果を検討した。その結果、LaサイトへCaを添加することで、酸素イオン伝導性が向上することを明らかにした。特に低温での酸素イオン伝導性の向上が顕著であった。そこで、このLa_<1.61>Ca_<0.1>GeO_5を用いて、燃料電池を組み立て、その発電特性を検討した。その結果、安定に電流が引き出せたので、これらの酸化物が純粋な酸素イオン伝導体であることが確認できた。つぎにLaGaO_3系酸化物を低温で作動するための燃料電池へ応用可能なカソード酸化物について検討し、Ba0.6La0.4CoO3が低温まで過電圧をひくく保てることを示した。そこで、Ba_<0.6>La_<0.4>CoO_3で大きなカソード電極活性の得られる機構を、同位体を用いて検討した。その結果、カソード性能はバルク酸素との交換反応が重要なステップであることが示唆された。さらに、酸化剤を加湿するとカソード過電圧は小さくなるので、電極の反応性がさらに、向上することがわかった。一方、Feを添加したLaGaO_3が大きな酸素の透過速度を有することから、Fe添加LaGaO_3酸化物の酸素透過速度に及ぼす表面触媒成分の影響を検討した。その結果、酸素透過速度は表面の触媒成分の影響を強く受け、電極としてLa_<0.1>Sr_<0.9>Co_<0.9>Fe_<0.1>O_3を用いると大きな酸素の透過が実現でき、酸素透過量は600℃でも1cc/mincm^2となった。一方、このFe添加LagaO3系酸化物を酸素分離膜として用いてCH4の部分酸化を行ったところ、大きな酸素の透過が可能であり、とくに、部分酸化触媒としてNiに少量のRuを添加すると酸素透過量が向上することがわかった。さらに、低温作動可能な炭化水素センサへの応用も検討した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Ishihara, T.Shibayama, H.Nishiguchi, Y.Takita: "Oxide Ion Conductivity in La_<0.8>Sr_<0.2>Ga_<0.8>Mg_<0.2-X>Ni_XO_3 Perovskite Oxide and Application for the Electrolyte of Solid Oxide Fuel Cells"J. Materials Science. 36. 1051-1182 (2001)
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[Publications] Y.Tsuruta, T.Todaka, H, Nishiguchi, T.Ishihara, Y.Takita: "Mixed Electronic-oxide Conductor or Fe doped La(Sr)GaO_3 Perovskite Oxide for Oxygen Permeating Membrane"Electrochem. & Solid-State Lett.. 4. E13-E15 (2001)
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[Publications] J.Akikusa, T.Yamada, K.Adachi, K.Hoshino, T.Ishihara, Y.Takita: "Development of Low-Temperature Operation SOFC"SOFC VII,. 01-16. 159-165 (2001)
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[Publications] T.Ishihara, S.Fukui, H.Nishiguchi, Y.Takita: "Ba(La)CoO_3 Cathode for Intermediate Temperature Operating Solid Oxide Fuel Cell Using LaGaO_3 Based Electrolyte"SOFC VII,. 01-16. 439-448 (2001)
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[Publications] J.Akikusa, K.Adachi, K.Hoshino, T.Ishihara, Y.Takita: "Development of a Low Temperature Operation Solid Oxide Fuel Cell"J. Electrochem. Soc.. 148. A1275-A1278 (2001)
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[Publications] 石原達己, 鶴田祐子, 戸高利恒, 西口宏泰, 滝田祐作: "Fe, Sr添加LaGaO3系酸化物を酸素分離膜に用いた膜型反応器によるCH4部分酸化反応"J. Japan Petroleum Institute. 45. 32-38 (2002)
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[Publications] Tatsumi Ishihara: "Handbook of Fuel Cell Technology"John Wily & Sons, Ltd.(印刷中).