1999 Fiscal Year Annual Research Report
日・英語文法獲得過程における普遍文法と経験の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
11111227
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
高橋 眞理 京都産業大学, 外国語学部, 助教授 (20247779)
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Keywords | 文法獲得 / 普遍文法 / 日本語 / 照応形 / 自分 / verbal noun / 束縛理論 |
Research Abstract |
一昨年度、昨年度に引き続き、(1)日本語の照応形「自分」の束縛条件の習得に関する研究と、(2)日本語のverbal-noun構文とそれに関連した構文の習得に関する研究を行なった。 (1):従来のテスト項目に、述語の再帰性と「自分」の先行詞選択に関係があることを幼児が理解しているかどうかを調べるためのテスト項目を加え、新しい実験を実施した。実験にはコントロールテストの他に、次の7種類の疑問文と絵のペアを用いた。 実験は、5・6才児を対象に行なった。コントロールテストに100%正解した16人のうち13人が、新しいテスト項目であるCM-Rに100%正解した。この結果と、被験者全体のCM-RとCM±Rへの反応の差はReinhart and Reuland(1993,"Reflexivitiy,"in LI 24)の"binding theory"と、「自分」がreflexive-markerではないことが、6才までには習得されることを示唆したものである。 (2)引き続き、問題の諸構文に関して大人の文法の詳細な分析を行なった。
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