1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11112209
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 貴央 鳥取大学, 医学部, 教授 (20116312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 優子 鳥取大学, 医学部, 助手 (90273903)
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Keywords | 古人骨 / 山陰地方 / データベース |
Research Abstract |
山陰の古人骨は、かつては小片保教授と金関毅教授によって収集された。その後も各地の遺跡から人骨が出土しているが、人骨資料が散逸しており、系統的なまとめはされていなかった。本年度はこのような人骨のリストアップ作業を行い、山陰の古人骨のデータベースを作成した。金関毅教授が収集された山陰の古人骨はリストが公表されているが、小片保教授が収集された山陰の古人骨は十分に整理されていない。鳥取大学に残っていた人骨収集リストと新潟大学に残っていたリストを整理し、当時発掘調査に加わった山陰在住の方から聞き取りを行ったり、当時の発掘資料を収集したりして、新潟大学に保管されている山陰関係の古人骨の調査を行った。残念ながら、保存状態の良好であったとされる骨の多くは、保管庫には認められず行方不明になっていたが小片教授が収集された山陰の古人骨の概要をほぼつかむことができた。上記以外の人骨は、これまでの発掘調査報告書などの文献的な検索を行い、山陰の古人骨のデータベースを作成した。データベース項目は遺跡名、遺構名、遺跡所在地、遺跡年代、発掘年月日、人骨の取り上げ者、埋葬様式、保存状況、報告書名とした。いくつかの骨については、保管されている場所に赴き、実物を確認した。データベースに登録された山陰の古人骨は遺構数509件、人骨829体である。時代別にみると、縄文時代6体、弥生時代50体、古墳時代573体、中世46体、近世154体である。人骨数は多いものの、保存が悪いものが多く、計測に耐えるものはきわめて少ない。未確認の人骨もあり、今後の作業によって山陰の古人骨リストは約1000体に達すると考えられている。一部の骨については頭蓋骨の計測を実施した。今後は、残りの頭蓋計測を行うとともに、四肢骨の計測を行い、山陰古人骨の骨計測データベースを作成するとともに、他地域との比較から山陰の古人骨の形質を明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 井上貴央: "中原遺跡から検出された近世のウシ骨について"志津見ダム建設予定地内埋蔵文化財調査報告書. 6. 67-69 (1999)
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[Publications] 井上貴央: "遅倉横穴墓群2号横穴墓から検出された人骨について"西尾地区農林漁業用揮発油税財源、身替農道整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書. 55-58 (1999)
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[Publications] 井上貴央、松尾(影岡)優子: "小江尾第1横穴墓から検出された人骨について"江府町埋蔵文化財発掘調査報告書. 9-14 (1999)
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[Publications] 井上貴央、松本充香、松尾(影岡)優子: "島遺跡から検出された古墳人骨について"鳥取県埋蔵文化財発掘調査報告書. (印刷中). (1999)
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[Publications] 井上貴央: "「新修米子市史第7巻資料編」"米子市編さん協議会. (1999)